赤いアフロの無念を晴らす

まえがき

ダイヤモンド&パールのリメイクが昨年発売された。

1992年生まれの私にとっては4世代というのは中学生~高校生にあたり、言うなればど真ん中の世代だ。
ゲームのみならず、マンガやアニメなどの派生作品まで、4世代の作品を素晴らしいと感じている。

そしてポケモンカードにも、リメイク作品BDSPおよびレジェンドアルセウスにちなんで、シンオウ地方の波が訪れた。

スターバースは素晴らしい。
アルセウス&ディアルガ&パルキアのスタンダード落ち、そしてVSTARの登場により、ゲームテンポが変わり、非ルールのポケモンに光が当たってるように思う。
ゲームデザインだけでなく、ポケモンファン目線では、長きにわたって収録されなかったシンオウ御三家や、その他シンオウのポケモンたち、そして「シロナ」「アカギ」「ナナカマド」「ハマナ」と、全力でシンオウ地方を押し出している。

しかし、たった一つ納得できないことがあった。

この突如現れたモブ人間の存在である。

こいつは一体誰だ。

炎タイプでシンオウ地方なら、あのアフロがいるではないか。

アフロなのにバトルが強く、アフロなのにイケメンのライバルがいて、アフロなのにサトシに尊敬されている、あのアフロ、「オーバ」だ。そして私はこのアフロが結構好きだ。
※オーバのイントネーションは餃子と同じ。

今弾では、ブーバーン、ゴウカザルと、オーバの相棒となっているポケモンも収録されており、この「キャンプファイヤー」というカードのテキストが「オーバのXX」でも個人的には全く違和感がない。
ではなぜ、オーバではなく謎のモブキャラにテキストがあてがわれることになったのか。

本記事は、そんなアフロの無念を晴らすために、制作側の意図を考察していく記事である。

1.なぜ炎タイプサポートはモブなのか

※筆者がキャンプファイヤーが原作に登場していることを知らずに、オリジナルモブとして扱ったまま考察を進めていました。申し訳ございません。
メインの論旨には影響がないため、該当部分を修正し、そのまま公開しています。

一度アフロから離れる。

実はキャンプファイヤー以外にも、これまでも炎タイプのサポートは不可解だった。
ポケモンカードのサポートは作中に登場するジムリーダーや四天王、もしくはトレーナーとして登場するキャラクター(とりつかい、おとなのおねえさんなど)が名前になっていることが多い。
しかし、炎タイプをサポートするカードである「鍛冶屋(XYで登場)」「溶接工(SMで登場)」に関しては、どちらも作中に登場しないキャラクターとなっている。
作中にもまったく登場しないキャラクターというのは、ポケモン作品の登場キャラクターが増えた昨今では逆に珍しい。
鍛冶屋も溶接工も、炎タイプのデッキならほぼ確実に採用されるカードなので、その違和感が非常に目立つ。

一体なぜ、炎タイプのサポートはモブなのか、という問いがこの記事で解き明かしたい問題である。

鍛冶屋

別名ブラックスミス。スミスは「鍛冶屋」という意味で、ブラックが「鉄」みたいな意味らしい。

XYからやっていたプレイヤーだったら使ったことはない人はいないほど強いカード。
鍛冶屋だけ毎ターン使うデッキもあったほど強い。

カロス地方は「戦争」とか「兵器」とかと親和性が高い世界観なので、鍛冶屋というチョイスはかなりセンスがいいと思う。
強いしかっこいいし、嫌いな人はいないカード。最高。

溶接工

別名ウェルダー。かっこいい。
鍛冶屋と違って手札から貼るということで、若干使用難易度があがっているが、手札に1枚でも炎エネがあれば使えるし、炎タイプのポケモン以外にもつけられるし、使ったら何故か3枚ドローできるし、でた当初からバグってると思っていたが未だにバグってると思う。
出た瞬間からC落ち付近までずっと強かったカード。

途中からマスクをとったらスポーティ女の子であることがわかってさらに多くの人の心を掴んだ。
私もめちゃくちゃ使った。大好き。特にTAが好き。

キャンプファイヤー

なんでやねん!!!BBQで白米持参顔やろ!!!

※3世代、および3世代リメイクに登場していたようですが、まったく記憶にありませんでした。

2.<仮説A>タイプのサポートの該当者がいない

まず、本当に炎タイプだけが特殊なのかを確認する。

これがソードシールドシリーズにおける、特定タイプ強化サポートである。おそらくこの5枚で全てだ。

素晴らしくわかりやすく、ジムリーダーだけである。
この華々しいラインナップの中で、6人目の戦士として選ばれたのが「暑がりエプロン」ことキャンプファイヤーだったのだ。軍手しろ。

ちなみに、全て見たわけではないがXYまで遡ってみても、タイプを強化するサポートは基本的にジムリーダーなど、人気のありそうなキャラクターが並ぶ。

特定タイプの強化サポートは他にもあるかもしれないが、モブによる強化はおそらくなかったと思う。
海パン野郎で水タイプポケモンを持ってこれたりはしない。

ではなぜ炎タイプだけ特殊なのかと考えると、結論から言うと炎タイプのキャラクターの数と、作中の登場タイミングの問題があると思われる。

例えば、鍛冶屋が出たのはXYシリーズ。
XYシリーズにはパキラという、敵幹部かつ、四天王というミラクル重要キャラクターがいる。

しかし、鍛冶屋が出たのはXY。終盤の重要キャラクターを出すのは少々早いような気もする。(とはいえフラダリは出ているのだが。)

また、そもそもの問題で、炎タイプはサポートが多いという可能性もある。
エネルギーカードをたくさん溜め込み、たくさんトラッシュするという性質上、グッズや特性による補助ではなく、サポート権を使って大きくエネルギーを補助するというスタイルがフィットしているのであろう。
それに対して、炎タイプに関連するトレーナーは、草、水、闘、無色などと比較すると若干少なめである。
ゆえに、該当者がおらず、モブトレーナーになるという理屈は一つあろうかと思う。

キャンプファイヤーに関しても確かに、シンオウ地方にはオーバのほかにバクという、ヒードランのイベントに関連するキャラクターがいるが、終盤のキャラクターなので、ダイヤモンドパール発売後というタイミング的に出しづらいというのは理解できる。え?何年前のゲームだっけこれ?

3.<仮説B>収録エキスパンションの共通性

仮説Aは多少納得感があると思う。おそらくこのような理由も多分にあるのだと思う。

しかし、溶接工はかなりシリーズ後半に出たカードで、Bで出たカツラをさらにCでカツラのクイズショーで出しているくらいなので、タイミング的には炎トレーナー選び放題だったはずである。それこそパキラでいい。

つまり、他にモブトレーナーでなくてはいけない理由があるはずである。

そこで、鍛冶屋、溶接工、キャンプファイヤーの出たエキスパンションを再び思い返してみると、別の仮説が浮かんだ。

以下の図である。

これら3つのパックは全て、リザードンが新しい能力(M進化、TAGteam、VSTAR)を手にしたパックなのである。

さらに考えていくと、「炎のトーチ」「巨大なカマド」「マグマの滝壺」など、サポート以外にも原作にないグッズやスタジアムが登場している。

リザードンとモブ名称の組み合わせ、この必然性はなにか。以下は完全に仮説だが、このようなことが言えるかもしれない。

・リザードンを使うトレーナーのデッキの主役はサポートやグッズではなく、リザードンであってほしい。

さらにはこういうことも言える

・リザードンを使うトレーナーはキミだ

4.まとめ

 

拡大解釈かもしれないがリザードンというポケモンはポケモンカードにとって、さらにはポケモンという作品にとって非常に特別なポケモンだ。
はじめてポケモンカードに触れるプレイヤーも多く使うだろう。

そのリザードンを使う体験は、キミとリザードンと世界であってほしい。
そのために、サポートやグッズ、スタジアムの個性をあえて消しているのではないだろうか。

関連記事

【人気?】なぜ収録されるポケモンは偏ってしまうのか【モジャンボが?】


なぜモジャンボばかり収録されるのかを考えた記事

おまけ:たいマックスVStar

前回まで、デッキレシピに関する記事を書いて♥を競っていた「たいマックス」ですが、
今回から「たいマックスVStar」として生まれ変わりました。

それぞれ自由に新弾に関する文章を書いてバトルするフリースタイルになったので、他の人の記事もぜひ読んで、面白かったら♥を押してください!!

VSTARマーカー、準備できていますか?

【たいマックスVStar】コラム!シーズンごとに登場する新ギミックたち【S9 スターバース編】