はっこうとは
まず、なぜこのデッキの名前がはっこうダイオウドウなのか説明が必要だ。
ポケモンには2種類の「はっこう」がある。
一つは、ゲームでもポケモンの特性として登場する「はっこう」。漢字を充てるなら「発光」のほうである。
マシェードをはじめ、ヒトデマン、ランターンなどが持っている。
しかし、マシェードが落ちていたので今回のデッキの「はっこう」はこのポケモンのことである。
ツボツボ。 分類:はっこうポケモン。
なぜツボツボははっこうポケモンなのか
ツボツボはポケットモンスター金・銀で登場したポケモンだ。
いわの したで こうらの なかに たくわえた きのみを たべながら みを ひそめている。たいえきと まざり きのみは ジュースに なる。(ルビー・サファイア)
こうらの なかに きのみを ためる。そのうち きのみは はっこうして おいしい ジュースに なるのだ。(ダイヤモンド・パール)
と、ポケモン図鑑には記されており、「きのみ」という概念と非常に親和性が高いポケモンである。
この説明から、ツボツボの「はっこう」は漢字を充てるとおそらく「発酵」になると思われる。
ツボツボは形状からして、フジツボをモデルとしたポケモンと考えられる。
フジツボとは、石灰質の体を持つ固着動物で、やわらかい触手を使ってプランクトンなどを食べる海中生物だ。
※フジツボを検索すると、人によっては結構きつい画像が出てくるので気を付けてください。
硬い殻の中にやわらかい触手があるという点、そして形状の類似性を見ても、ツボツボのモデルとなったと考えて違和感がない。
しかしここで一つの疑問点が浮かび上がる。
フジツボは主に海にいる生き物なので、きのみを体内に隠して熟成させるという特徴は持っていない。
ではツボツボときのみの関係性はどこから来たのだろうか。
発酵という概念
木の実を発酵させるといえば、ワインが思い浮かぶ。
調べていくうちに、ワインを壺の中で醸造する製法があるらしいことがわかった。
(DTACジョージア観光情報局より引用)グルジアワインの酷造方法 Qvevri(クヴェヴリ)製法
世界3大長寿国のひとつ、グルジア。大陸性気候に恵まれ、「ぶどうのルーツ」とも言われるところ。この地で生まれたワインの歴史は紀元前8000年までさかのぼる。シルクロードの西の端、コーカスの山から湧き出たミネラルウォーターで育った世界最古のブドウの原種からワインが誕生した。最古から受け継がれてきたグルジアのワイン酷造方法で最も鍵となるのが「Qvevri(クヴェヴリ)」と呼ばれる大型の壺である。 このクヴェヴリ製法とは、ブドウを壺の中で(この壺の内側はオーガニックの蜜蝋でコーティングされていてる)発酵させるのだが、さらに壺を地中に埋めることで一定の適温での発酵が実現されるという。この製法こそがワイン作りの起源になったのだが、今なお行っているのは唯一グルジアだけ。樽での発酵では絶対に生まれない豊かな果実感を持った身体に優しいワインが出来上がる。タンニンも豊富に含まれており、活性酸素をも抑制する効果も持つ健康にも良いワインだ。完全な手作りだからこその無添加で個性的なワインの仕上がり。まさに歴史と伝統、品質の良さ、酷造技術、3拍子そろった本物のワインの味わいを生み出す壺なのである。
要するに、果物を壺の中に入れておくと発酵して酒になって美味いということである。
これは先ほどのツボツボの性質と完全に一致する。
そう、ツボツボとは「ツボ」の性質と、「フジツボ」の性質を併せ持ったポケモンなのだ。
ツボツボが「ツボポケモン」ではなく、「フジツボポケモン」でもなく、「はっこうポケモン」なのは、私たちの生活に密接にかかわる「発酵」という概念を、子供たちに教えたかったからかもしれない。
さらに、自然界には猿酒という概念がある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
猿酒(さるざけ)は猿が木の洞や岩のくぼみなどに溜め込んだ果実などが自然に発酵して酒になったものである。(中略)
糖分を含む果実表面には、「こうぼ」が付着しており、落下後に自然に発酵することが多い。(中略)ギニアでのオックスフォード・ブルックス大学の研究によれば、現地住民がラフィアヤシの樹液を採取した穴に残った樹液が自然発酵したヤシ酒をチンパンジーがスポンジ状の木の葉を使って飲んでおり、親しい仲間同士での飲み会も行われるという。これはアルコールの摂取に関する、人類と類人猿の進化の系譜について貢献する内容である。
要するに、落っこちた木の実もたまに発酵して酒になって美味いということである。
ここでポケモンカードのツボツボを見てみよう。
山札からエネルギーを一度トラッシュに落とし、それを再びポケモンに補給することができる。
これは先ほどの自然界の流れと非常に似ているように思えないだろうか。
図にしてみると、非常に似ていることが分かったと思う。
キミは今、ポケモンカードの奥深さに触れた。
ダイオウドウとは
ポケモンカードの記事を読みに来た皆様、もう少しお付き合いいただきたい。
次に今回のデッキの主役であるダイオウドウについても少し書く。
ダイオウドウはポケットモンスターソード&シールドに登場したはがねタイプのポケモンで、ゾウドウから進化する。
シリーズの中で重要な位置を占めるローズというキャラクターの切り札でもある。
ダイオウドウというポケモン
ツボツボが「ツボ」と「フジツボ」をモチーフとしたポケモンならば、
こちらは「銅像」と「象」をモチーフとしたポケモンである。
なんか似てる!!!すごい!!!
800体を超すポケモンの種類がいて、まだこんな素敵な組み合わせでキャラクターを生み出せるポケモンってなんて素敵なんだろう。
※参考:銅像の色を見ると確かに銅っぽい色と緑っぽい色
そして、ダイオウドウは、「大王」+「ゾウドウ」がモチーフと考えられる。
ポケットモンスターソード&シールドの世界は、実在のイギリス(イングランド+スコットランド)がモデルとなったといわれており、随所にそのテイストがちりばめられているが、
イギリスにはアルフレッド大王等、有名な大王がいることからも、このモチーフに違和感はない。
ちなみに、ダイオウドウの頭にはコブが2つあるが、これによりアジア象(インド象)系がモチーフだと考えられる。体の模様もなんとなくインド象の装飾っぽさがある。
※参考:インド象のこぶ
あと耳が小さめなのも特徴
ダイオウドウのキョダイマックス
キョダイマックス(Vmax)すると、かなり姿がかわり、鼻のついた建造物のような形になる。
建造物というか、ところてんの助みたいになる。
イギリス、大王ということから城をモチーフとしているような気もするが、詳細はまだよくわからない。
ロンドンに「エレファント&キャッスル」という都市があることは分かったのでもしかしたらそれも関係あるのかな。
教養がある人がいたら教えてほしい。
発光ダイオードとは
発光ダイオードとはつまるところLEDのことであり、LEDとはつまるところ発光ダイオードのことである。
明るくて省エネでいい感じなので電光掲示板とか、世の中のいろいろなものに使われている。
それ以上の説明をしたくてここ数日ほど発光ダイオードの勉強をしたが、無学すぎて何も理解できなかった。
そういえばポケモンカードのブログだったので許してほしい。
はっこうダイオウドウとは
着想
ポケモンカードの記事だと思って開いた方、こんばんは。
ここからようやくポケモンカードの話に入る。
ダイオウドウというポケモン、鋼タイプで打点が200前後。Vmax進化するとHPが既存ポケモンの中で最大級の340になる。
上記のことから、大きいザシアンだと思うと運用がしやすいかもしれない。
ザシアンと違って特性がなく、小回りが利かないが、その分耐久力があるのでそこを活かしてデッキを作りたい。
そこで候補に挙がったのがツボツボというポケモン。
自身の特性でトラッシュにエネルギーを落とし、1エネ技で加速もできる。最強のダイオウドウの相方だ。
課題
ここで、やりたい動きをまとめると
①ツボツボと草エネルギーを引く
②ベンチにダイオウドウを出す
③ツボツボを前に出してワザを使う
という動きになり、若干ハードルが高いと気が付く。
特にツボツボも草エネルギーも4枚入れるようなカードでもないので、①のハードルがかなり高い。
それを解決してくれるのがこのネットボールというカードである。
このカードを3枚入れることで、実質的にツボツボが5枚、基本草エネルギーが6枚という体制になるため、やりたい動きのハードルがかなり下がっている。
一度エナジードリンクを使った後も、状況に応じてワタシラガV、カジッチュ、基本草エネルギーを持ってこられるため、後半でも非常に強いグッズとして機能する。
ザシアンと違って、ダイオウドウのワザに必要なエネルギーは1つだけ無色が含まれているため、草エネルギーも終盤まで無駄にならない。この点もダイオウドウを使う上で長所となるポイントなので覚えておきたい。
というのは全部あとづけで考えた理由で、本当は「はっこうダイオウドウ」と言いたかっただけのデッキなのである。文章量に免じて許してほしい。
デッキレシピと解説
レシピの解説に入る前にボスの指令というカード、そしてそれをトラッシュから回収できるワタシラガVというカードが出たことにより、ポケモンカードは別のゲームになったといっても過言ではない。
ベンチに悠長に置いたポケモンは簡単に呼び出され、サイドカードを取られてしまう。
古事記にも「フラダリシェイミ対戦ありがとうございました」と記されているが、
令和の世界でも「サカキユータン対戦ありがとうございました」ということになるだろう。
このデッキの場合、いくら相手がダイオウドウVmaxを突破できなくても、サイドが残り1枚だった場合、こちらのベンチにいるツボツボを倒せば敗北してしまうということを念頭に置きたい。
このデッキでは相手の残りサイドが1枚の状態で、こちらの場にダイオウドウVmaxしかいない状態を目指したい。
相手に 1枚、1枚、3枚、3枚と取らせることを要求するのが一番強く、
1枚、3枚、2枚や、1枚、1枚、3枚、1枚で取られてしまうのが一番もったいない。
ということを念頭に置いて、ベンチポケモンを出す際に注意しよう。
アップリューやワタシラガは自力でベンチからいなくなれるのでそこも使いこなせたら強い。
これはポケモンカードにおける「サイドレース」という概念につながるのだが、
詳しくはたんぬが詳しく易しく書いてるので読んでみてほしい。
参考
とはいえ、序盤に仕方なくザシアンを出さなくてはいけない場面や、中盤にワタシラガを出さなくてはいけない場面もあると思う。
その辺もポケモンカードの面白いところなので、いろいろ考えながら頑張っていただきたい。
ふとうのつるぎ便利すぎる
まとめ
実際に一人回しをしてみると、ツボツボから始動できる確率はそこまで高くなかったので、レシピとしては改良の余地があると思う。
しかし、ザシアンと同じくらいの火力があり、1.5倍程度の耐久力があるダイオウドウというポケモンは、かなりポテンシャルは高いはずなので、ぜひとも一度使ってみてほしい。
(この数日間ずっとダイオウドウのモデルについて考えてたら好きになった)
あと、がんばってツボツボを使ってみたけど、「エネを落とす」「エネ加速」「手札補充」が一人でできるチラチーノというカードがとても優秀なのでそっちのが強いかもしれない。強いと思う。(9割くらい書いた後に気づいた)
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— たいあたりジム (@taiatarigym) December 5, 2019