おはこにゃばちにんこ。

ロロたんぬです。

まもなく発売の
クレイバースト、スノーハザード。
非常に趣深い拡張パックだと思います。

かつてのNを想起させるナンジャモ、
かつてのカメケルを想起させるパオジアンとセグレイブ、
イキリンコで駆け抜けたり、
タギングルでぽいぽいしたり、
爆発してサイドを献上したり、
特殊エネルギーを加速できたり、
ウッウロボが実質8枚採用できるようになったり………

その中でも、ひときわ目立っていると感じるのが、
ミカルゲとディンルーexです。

同じ時期に、
「特性は、すべてなくなる」効果が複数登場するのは前代未聞です。
ここ最近ポケモンVの特性に頼ったデッキが多く、
Fマークでは当たり前だった環境を一新したい気概を感じました。

今回のたいあたりジムexvsは、
「特性は、すべてなくなる」に焦点をあてていきたいと思います。

たいあたりジムexvsとは…

毎回、「新弾にまつわる何かをして、記事にする」。
たいあたりジムメンバーが、
新弾リストが公開されてから、
新弾のカードを使って記事を作成、
発売後1週間までのあいだに稼いだ
「推し」ボタンの数で競います!
記事が良かったら
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今回はロロたんぬ特有の主観的な考察記事ではなく、
ジャッジとしての、解説・啓蒙記事と思っていただければ幸いです。
へらそう。プレイエラー。

「すべてなくなる」とは

上級ルールガイドには、以下のように記されています。

指定されたものを、ないものとして扱うことです。

必要なエネルギーがなくなる効果と、ルールがなくなる効果の2つの種類があります。

特性がなくなる効果は、ルールがなくなる効果に分類されます。

ルールがなくなっているので、
「特性を持つポケモン」を参照する時に参照されなくなります。

アップリューのワザ「きょうさんねんえき」のダメージには数えられなくなるし、
フルフェイスガードでダメージが減らせるようになります。

基礎としてはこんな感じ。

「特性は、すべてなくなる」を持つカード

SV2P スノーハザード
SV2D クレイバースト
が発売すると、
スタンダードレギュレーションにおいて、
「特性がすべてなくなる」効果は
なんと8種類です。

今回の記事を書くにあたって調べ直しましたが、
こんなにいるなんて思いませんでした。

それぞれの効果や、及ぶ範囲などについて解説していきます。

ミカルゲ「しっこくのわざわい」


採用されるかは別として、
現環境のスタンダードにおいて最も影響力のある「特性をなくす」効果。
ベンチにいてもはたらくため、いるだけで十分なはたらきをし、
デッキに入っていなくても、カードプールにあるというだけで
ポケモンVの特性に頼った環境の抑止力になります。
「フュージョンシステム」ゲノセクトV、「ルミナスサイン」ネオラントVあたりが困るのではないでしょうか。
自分のポケモンVの特性もなくなってしまうので、使うデッキを選びます。
「ワイルドスタイル」ドラピオンVが使いにくくなるのが手痛いかも。

ディンルーex「じゅばくのだいち」


攻撃力もHPも十分なスペックを持ちながら、
「特性をなくす」効果も持っています。
今回の記事を書こうと思ったきっかけのポケモン。
「シャドーボックス」ミミッキュではあまり意識されなかった、
「ワザを使った時」「ダメージによってきぜつした時」の
処理の煩わしさが浮き彫りになりました。
このあと詳しく解説します。

クレッフィ「いたずらロック」


雑にたねポケモンの「特性をなくす」効果。
このポケモンの登場のおかげで、スタンダードレギュレーションでも「対戦開始時にどちらの特性が先にはたらくのか?」という問題の認知度が上がりました。
嬉しかったです。

プテラVSTAR「エンシェントスター」


数あるお問い合わせ案件の中で、1番ブチギレたポケモン。
「ワザの効果によって特性をもつ」新しい効果。
本稿ではあまり深くは掘り下げないけど、プテラVSTARやアンノーンVSTARだけにしか通用しない、特殊な裁定があります。
効果の及ぶ範囲がミカルゲに近いのが残念。

キャンセルコロン


使った番の終わりまで、相手のバトルポケモンの「特性をなくし続ける」グッズです。
バトルポケモンを入れ替えると、ベンチに戻ったポケモンの特性ははたらき、バトル場に出たポケモンの特性が新しくなくなる。
グッズであることも相まって、裁定がややこしいです。

頂への雪道


スタジアムで「特性をなくす」効果。
ルールを持つポケモンに「スタジアムの効果を受けない」効果はないので、効力は絶大。
「ルールを持つポケモン」という書き方のおかげで、エクストラでも半永久的に使える効果です。

サクラビス「れんげきキャンセラー」


れんげきスタイルを持つポケモンの「特性をなくす」ポケモン。
最近はオクタンやインテレオンVMAXもみかけるので、ロストデッキに入れても面白いかも?本稿では特に言及しません。

エンペルトV「エンペラーアイ」


ルールを持つポケモンをのぞくたねポケモンの「特性をなくす」、「いたずらロック」クレッフィとよく喧嘩させられるポケモン。
このカードが登場した時は「がまんのかべ」ソーナンスとの競り合いはどうなるんだ!?と話題になりました。
エクストラの範囲だったし、汎用性も高くないのでオタク知識にとどまりましたが、今はそうも言ってられない状態になってきました。

「特性がなくなる」タイミングについて

次は、それぞれの特性がどのタイミングで発揮するのか、
効果ごとにまとめます。

場(バトル場)に出した後すぐにはたらく

ex)ミカルゲ、クレッフィ、サクラビス、エンペルトV

場やバトル場にいることが条件のポケモンは、
出した後すぐに特性がはたらきます。
対戦開始時、これらのたねポケモンが同時にスタートした場合、先攻のプレイヤーのポケモンの特性が先にはたらきます。
エンペルトV vs クレッフィ、エンペルトV vs ミカルゲで発生し得ます。

また、すでに特性がなくなっている状態のベンチポケモンは、
バトル場に出るに際しても、なくなっている状態でバトル場に出ようとします。
相手のバトル場のクレッフィの「いたずらロック」がはたらいている時、
ベンチのエンペルトVの「エンペラーアイ」はなくなっており、
バトルポケモンと入れ替えても、「エンペラーアイ」はなくなったままです。

ダメカンがのった後すぐにはたらく

ex)ディンルーex

「じゅばくのだいち」は、
ワザのダメージや効果、特性などでダメカンがのった後すぐにはたらきます。
ワザを使う手順をしっかりと理解することでどのタイミングではたらくかがわかります。

ワザを使う手順

1.使うワザの宣言
2.ワザを使うポケモンの状態の確認
3.ダメージを与える前にはたらく効果
4.ダメージの計算
5.ダメージ以外の効果
6.ダメージを受けるポケモンの効果
7.きぜつの確認

4.ダメージの計算の手順

4-1.ワザのダメージの計算
4-2.ダメージを与えるポケモンにかかっている効果の計算
4-3.弱点の計算
4-4.抵抗力の計算
4-5.ダメージを受けるポケモンにかかっている効果の計算
4-6.最終的なダメージ⇚ここでワザのダメージによるダメカンがのります。

そのため、ワザのダメージによるダメカンをのせるまでの、
ワザの手順1~3、4-1~4-6までではたらく特性は計算します。
(「ダメージを受けない」効果で、ダメージを防ぐことができます。)
ワザの手順5〜7ではたらく特性は、なくなっています。

ワザのダメージ以外の効果からはたらく

ex)プテラVSTAR、(ディンルーex)

上記ワザの手順5からはたらくようになる特性です。
「エンシェントスター」はワザのダメージがないので、
ダメージ計算の手順を追う必要がなく、
きぜつ処理にも関わってこないので、難しくありません。

ディンルーexの追加効果である、
「ベンチポケモンにダメカンを2個のせる」は、
ダメージではなく効果で処理をします。
先ほどの「ダメージ計算の手順」からは、
若干ズレたタイミングから特性がなくなります。

手順4-6「最終的なダメージ」と5「ダメージ以外の効果」の間ではたらく特性は思いつきませんが、
ダメージや効果を受けるポケモンが、
「ダメージを受けない」もしくは「ワザの効果を受けない」状態かどうかは、意識する必要があります。

よくある質問に載っている項目について

ワザの効果を受けない特性

「たいようのけいじ」エーフィVMAXがワザのダメージを受けると、
4-6でダメカンがのった後すぐに特性がなくなるため、
5でベンチポケモンはワザの効果を受けてしまいます。

特性やトレーナーズの効果でダメカンをのせる時

複数の効果が同時にはたらくとき、効果を受けるポケモンの持ち主のプレイヤーが、効果の処理の順番を選ぶことができます。
特性を使うより先にダメカンをのせることを選んだ場合、
ダメカンをのせた後すぐに特性がなくなり、特性を使えなくなるQAがあります。

ポケモンチェックでダメカンがのる時

処理に順番が決められています。
複数の効果や特殊状態がかかっている場合、
・特性などの効果を処理するか
・特殊状態を処理するか
の順番を決めます。
特殊状態を処理する時は、
どく→やけど→ねむり→マヒ
の順番で処理します。

ねむりの時、コインを2回投げてオモテが出ないと回復しない特性を持っているポケモンは、
どくでダメカンを先にのせた後すぐに特性がなくなり、
やけど、ねむり、マヒのチェックでは特性は無くなっています。
もちろん、先に効果を処理することを決めた場合は、
その効果でダメカンがのっても、
特性はなくなっています。

手札から出して使った後すぐに

ex)頂への雪道、キャンセルコロン

トレーナーズの効果で特性がなくなる時、
その効果は出して使った後すぐになくなります。
ただし、他の処理同様に、
「手札から出して使った時、その効果を受けない」状態のポケモンに、
手札から出して使っても、特性はなくなりません。

ただし、キャンセルコロンの場合は、
「新しくバトル場に出たポケモン」にも効果がかかり、
特性がなくなります。

入れ替えなどによって、バトル場に出たポケモンは、
新しくキャンセルコロンの効果を受けます。
「手札から出して使った時」という状態ではないため、
「手札から出して使った時、その効果を受けない」効果でも防ぐことができず、特性がなくなります。

※「手札から出して使った時」と書かれていなければ、「トレーナーズの効果を受けない」効果で防ぐことができます。気になる方は調べてみても面白いと思います。

tips なくならずに使える効果

「ポケモンの特性がなくなる」状態でも、
「スターアルケミー」森の封印石、
「スターオーダー」空の封印石の特性は使うことができます。
特性を持っているのは、あくまでポケモンのどうぐであって、ポケモンではないようです。

ただし、「カードの特性がなくなる」効果では、
森の封印石、空の封印石の特性も使えなくなります。
スタンダードレギュレーションではそういった効果はありませんが、
エクストラレギュレーションにはあるので、注意が必要です。

tips 特性の効果を受けない効果

フュージョンエネルギーがついている「フュージョン」のポケモンや、
「ラスターボディ」アーマーガアVMAXは、
相手の特性の効果を受けません。

「しっこくのわざわい」ミカルゲが場にいても、
フュージョンエネルギーがついているゲノセクトVはフュージョンシステムが使えます。

また、エクストラレギュレーションでの
「カードの特性をなくす」特性も受けないことができ、
アーマーガアVMAXについている森の封印石の「スターアルケミー」はなくなりません。

終わりに

実際の対戦や、環境では、
上記のようなややこしい手順で問題が発生することは極めてマレです。

ただ、知っているか、知らないかで大きく変わることがあります。

覚えるべき優先順位としては低いですが、
覚えている側の人間からすると、
時間切れの際に「両者敗北になる」か、「サイド差で決着するか」の
アナウンスをちゃんと聞いておくことと同じくらい大事なことという認識です。

利己的な考え方をするなら、
「ルールは覚え得、アド」。

ガチ環境に身を置いている方は、少しでも勝率を上げたいなら、
通勤・通学の時間を使ってルールのお勉強をするのも、
ひとつの上達への道だと思います。

ではではd(℃。)