あ、こんばんゴーリキー。
まえがき
今回は論文ではない。何も論じず、何も網羅しない。
2月に発売された「バトルリージョン」以降、ヒスイ地方のポケモンが描かれるようになった。
ここで言う「ヒスイ地方のポケモン」とは、「ヒスイ~」とつくポケモンや、バサギリなどの新ポケモンだけではなく、以下の特徴を持ったポケモンを指す。
①の特徴だけではいまいち判断のつかないポケモンもあるが、②の特徴はかなり顕著で、「~す。」「~し。」などの古文のような単語や、体言止めでの表現が多く使われており、これまでの図鑑とは明確に異なっている。
また、そもそもこの文章は、ゲーム「LEGENDSアルセウス」に登場するヒスイ図鑑と一致しており、明確に「ヒスイ地方のポケモン」であることが判別できる。
バトルリージョン以降4弾(バトルリージョン/スペースジャグラー/タイムゲイザー/ダークファンタズマ)にわたってヒスイ地方のポケモンが登場しているが、一度この「ヒスイ地方のポケモン」という特徴に関して触れておきたいと思っていた。
念のため言っておくとポケモンカードの対戦を行う上では全く影響しない。
一通りの新ポケモンが登場しきった今回でおそらく一区切りであろうと思うので、ヒスイ地方のポケモンに関してまとめようと思った。
ちなみに、はじめは「【論文】ヒスイ図鑑が記載されているポケモンのイラストすべてを作中の場所に当てはめてみた【たいマックスVStar】」というタイトルにする予定であった。
しかし、実際にカードをみながらゲーム中のヒスイ地方を歩いてみると、この作業はかなり困難であることがわかった。以下の理由からである。
①筆者自身が、「LEGENDSアルセウス」をプレイしてからかなり時間がたってしまい、イラストを見て場所の特定をするのが困難
②イラストレーターさんによって、背景に若干のアレンジが加えられていることが多く、実際は完全一致の構図はあまりない
③ポケモンも思い通りのポーズで静止してくれるわけではないので、ポイントを見つけてから撮影できるまでにも時間がかかる
という理由から、すべてを網羅するのはあきらめた。一週間の休みと100万円くらいの報酬がもらえるならやるのだが。
がんばって網羅することで、自分と同じことをしようとした誰かの役に立つかもしれないが、それはただのまとめのためのまとめでしかないため、この記事では「感想」と「楽しさ」のみ伝える。
撮影するときの実体験をベースに書いた。
ポケモンカードの対戦は行っているけど、ゲームには興味がない、もしくはイラストはちゃんと見てないという方は、この記事を読んで「LEGENDSアルセウス」で描かれたポケモンの世界「ヒスイ地方」に興味を持ってくれたらうれしい。
また、ポケモンカードは持っていないけどこの記事にたどり着いた方がもし読んでくれていたら、たまにポケモンカードを見つけたとき1パックでいいので買ってみていただけたら幸いである。
ポケモンカードはポケモンの世界を切り取った小さな画集ともいえる。きっといい出会いがあると思う。
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ゴーリキーを撮りたい
「ゴーリキーを撮りたい。」
いきなりそんなことを言い出す友人がいたらあなたはこう言うだろう。
「一旦落ち着こうか」と。
筋骨隆々ということばはこの生物のためにあると言わんばかりのビジュアル。
ワンリキーほどマスコットではない、かといってカイリキーほどモンスターでもない。パンツ履いてるし。
そんななんとも言い難いカントー地方の古参ポケモン、ゴーリキーを撮りたいのだ。
大丈夫、深呼吸はした。
このカードを見てほしい。今回の「ダークファンタズマ」に収録されているゴーリキーだ。
「かいりき 30 ちきゅうなげ 50」
ファミリーポケカではない。強化拡張パックに入っているカードなのだが、
一目見て「このカードは使うことはないだろうな」と判断する文字列である。
しかしこのイラストを見てほしい。
この真横から見たゴーリキーが描かれたイラストの、なんとメッセージ性のあることか。
草の生い茂った斜面。ここは山の中腹なのだろうか。崖なのだろうか。
ゴーリキーは登ってきたのか、降りてくる途中なのか。
遠くに見える島。そびえたつ火山のような山。あそこにはなにがあるのか。
ゴーリキーはそれを見ているようにも見えるし、見ていないようにも見える。
そして生い茂る草。手前には何かの白い花。
ゴーリキーは斜面を見ているようにも見える。草の生えているところと生えていないところがあるようにも見える。
非常に興味深い。
イラストは有田満弘(Mitsuhiro Arita)先生だ。
有田先生のイラストは、上手いだけではなく、いつもストーリーを想起させてくれる。
3年前、有田先生のライボルトのイラストのモデルとなった公園まで行き、ライボルトになりきって撮影したことがあった。
それくらい(?)、見た者を惹きつけ、印象付けする魅力のあるイラストをいつも描いてくださっている。
そして、「LEGENDSアルセウス」をプレイした方なら思っただろう。
「この風景、見たことある!」と。
ゴーリキーは知らないかもしれないが、僕たちは知っている。奥に見える火山になにが待っているのかを。
とすると、この斜面もヒスイ地方に実在する斜面なのではないか?という発想になる。しかしどこだかは思い出せない。
ならば行ってみよう。
ライボルトになったときのように。ケッキングになったときのように。今度はゴーリキーになってみよう。
あの場所に立ったら、ゴーリキーが何を考えているのかわかるかもしれない。
そして、同じ構図で写真を撮ろう。
ゴーリキーを撮ってみた
ゴーリキーを撮りにいくぞ。
「LEGENDSアルセウス」をプレイしてから結構期間が空いてしまったため、まずはどこに火山があったかを思い出すところから始まったが、地図を見れば一目瞭然であった。
この火山は、ヒスイ地方のマップの北東にある知床「群青の海岸エリア」の「火吹き島」というエリアだ。
まずはここに向かってみる。
ウォーグルに乗って、海を渡る。
「LEGENDSアルセウス」では、このようにポケモンの力を借りて自由にマップを走ったり泳いだり飛んだりすることができる。
広大な自然の中を自分の好きなように旅することができるのが、このゲームの魅力だ。
ちなみにこのポケモンは、ポケモンカードをやっている人からしたらヒスイウォーグルというポケモンだが、ここはヒスイ地方なのでこのポケモンはウォーグルだ。
陸についたので、オオニューラに乗って崖を登っていく。
「LEGENDSアルセウス」では、このように(以下同文)
ちなみにこのポケモンは、ポケモンカードをやっている人からしたらヒスイオオニューラというポケモンだが、オオニューラはヒスイにしかいないポケモンなのでその呼び方はおかしい。
そして到着した。斜面になっているのがわかるだろうか。オオニューラに乗らなくても歩ける程度ではあるが、かなり足取りが重くなるような急斜面。ゴーリキーのイラストに描かれている通りだ。
そしてカメラを調整し、火山がバックに見える位置に立つ。
おお!まさにここだ!ラピュタは実在した
手持ちにももちろんゴーリキーは持ってきている。
好きなときに好きなポケモンを好きな場所に出せるのも、このゲームの楽しいポイントである。
しかしここで問題が発生した。
斜面がきつすぎて、ポケモンが出せないのだ。これは盲点だった。
何度も緩やかな斜面を探してゴーリキーを出そうとするが、一向にボールから出てくれない。
まあたしかに、出た瞬間急斜面だったらそのまま崖から落っこちる気がするので、出なくて正解なのかもしれない。(※ゲーム上ではポケモンだけ落ちることはありません)
仕方がないのでオオニューラでパシャリ。
こころなしか曇ってきたし。悲しい。
たった一つの収穫としては、ゴーリキーのイラストにあるようにこの斜面に立つとポケモンは右ひざが立つ。ということである。
もしかしたら有田先生も、ここにオオニューラを立たせてゴーリキーを描いたのかもしれない。
【完】
他のポケモンも撮ってみた
冒頭でも書いたが、実際にやってみるとそこまで同じ構図にならず、大変苦労した。
ヌメラ
ゴーリキー同様、背景に特徴的なモチーフがあるため探しやすかった。
テンガン山を遠くにのぞめる荒野のような場所。まさにそんな場所にヌメラがいた。
「下手すぎるだろ」
そう思った方は聞いてほしい。弁解させてほしい。
当たり前だが、イラストのようにヌメラより下の目線からアップで撮ることはシステム上できない。
しかもこのヌメラ、めちゃくちゃ攻撃してくるのだ。
どんな優秀なカメラマンでも、ヘドロを吐いてぶつけてくる被写体を撮るのは困難を極めるだろう。どうして「ポケモンスナップモード」を実装してくれなかったのか。
死にそうになっては非難し、また挑み、ようやく撮れた写真がこれである。
ドータクン
こちらも特徴的なイラスト。まさにこのような背景の場所にちょうどドータクンがいた。
こちらはイラスト自体がある程度威嚇のようなポーズをとっているため、ワザを使わせるのは別にいいのだが、同じく撮影は困難を極めた。
ようやく撮れたのがこれである。
なんなら走り回っているうちにどこからともなくドーミラーにもターゲットにされ、普通にふくろだたきに合っている。
カメラマンに必要なものは、覚悟。
ユキカブリ
こちらも有田先生の特徴的なイラストである。
何が特徴的かというと、ゲーム中では室内にユキカブリはいないのだ。
というわけで、おそらくユキカブリが何らかの理由で神殿内に迷い込んでしまったのではないか。
ユキカブリもそんな表情をしている。
やはりストーリーを想像させるような圧巻のイラストだと思う。
というわけでモデルを使用した。(手持ちポケモン)
手持ちポケモンは素晴らしい。なぜなら襲い掛かってこないから。
イラストとなるべく同じような壁と柱の位置関係のスポットを探して撮った。
バリヤード
これもゲームをやっていた人なら、「あ、あそこか」とわかるような、コトブキムラの狭い路地である。
狭い路地なのにバリヤードが見えない壁を貼ってたら迷惑だね!こら~~~~~!バリヤード~~~~~~!!!!
町の中は素晴らしい。なぜなら安全だから。
正面から撮ろうとすると、自分の背中しか映らなくなってしまうため、同じ構図で撮るのが難しかった。
エイチ湖
ポケモンではないが、飛んでいたら偶然見つけたので撮った。
わかりにくいが、イラストで描かれている特徴的な木の位置に、木の実のなる木がちゃんと生えていた。
まとめ
本当は過去の弾含め、もっと賞賛したいイラストが無数にあり、多くのポケモンを探しに行きたかったのだが、時間の都合で今回はここまでとする。
余裕があれば追加していくかもしれない。
しかし一番うれしいのは、この記事を読んだあなたが、自力でイラストの位置に行き、自力で撮影し、あなた自身がヒスイ地方を体験してくれることである。
その体験を通じて、きっと今まで見つからなかったイラストの魅力に気が付けるはずだし、ポケモン世界の魅力にも気が付くと思う。
ヒスイ地方のポケモンだけではない。きっとどのイラストも、イラストレーターさんの頭の中には風景があり、世界があり、ストーリーがあるはずだ。
対戦で使わないカードでも、ふとしたときにじっくり見て、ストーリーを想像してみるとすごく楽しいと思う。
そうやってポケモンカードをより深くあじわってくれる手助けを今後もしていけたらと思っている。
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