おはこにゃばちにんこ。

ロロたんぬです。

いよいよ目前にせまったポケモンジャパンチャンピオンシップス。

ガチに勝ちに行く人もいれば、
遊びに行く感覚で楽しむ人もいると思います。

おそらく公式の配信もあることでしょう。

今回は、その配信を観ていて
面白い!」と思えるように、
ちょっとした知識を解説します。

2018年にも、2022年にも、まったく同じ記事を投稿しました。
今回は、その2024年VERでお送りいたします。

【図解】PJCS2日目。BO3観戦を3倍面白くする見どころ!

【解説】2022年最新版。BO3観戦を3倍面白くする見どころ!

2日目の日曜日、いわゆるday2の
本戦①(2本先取によるスイスドロー)」についてです。

 

 

BO3という対戦形式

2本先取は、
「ベストオブ3」、略してBO3と呼ばれます。
最大3回戦を行い、勝利数の多い方がマッチ勝利となるルールです。

(普段みなさんが「一本勝負」として親しんでいるのは、
ベストオブ1、つまりBO1です。)

BO3は、一本勝負につきものである運勝ちが起こりづらく、
実力や有利不利が如実に現れるため、
大会の決勝トーナメントにふさわしいと言えます。

公式のページに詳細なルールについて書いてありますが、
大まかな部分を説明していきます。

対戦の流れ

まず、基本の流れです。

じゃんけんで先攻か後攻かを決める

1ゲーム目開始

負けたプレイヤーが次のゲームの先攻か後攻かを決める

2ゲーム目開始

どちらかが2勝→試合終了
1勝1敗の場合→3ゲーム目へ

2ゲーム目で負けたプレイヤーが次のゲームの先攻か後攻かを決める

3ゲーム目開始

2勝したプレイヤーの勝利

この3試合を50分でこなすことになります。

……ただでさえ25分1本勝負も満足に終わらないのに、
50分間で3試合なんて終わるわけない。

というわけで、各ゲームの投了と、
制限時間終了時の細かいルールがあります。

各ゲームの投了

第1ゲームや第2ゲームの途中、
「このゲームは勝てない」と判断した場合、投了を選択し、
次ゲームへ移ることができます。
50分間で3試合こなすためにも、必要な判断です。
(フロアルール第9章に基づく。)

第1ゲームが終了する前に制限時間が終了した場合

勝利に必要な残りサイドに差がつくまで対戦を続行します。
残りサイドが少なくなった方のマッチ勝利

第3ゲームが終了する前に制限時間が終了した場合

勝利に必要な残りサイドに差がつくまで対戦を続行します。
残りサイドが少なくなった方のマッチ勝利

第2ゲームが終了する前に制限時間が終了した場合

イ、お互いの勝利に必要な残りのサイドが3枚以上なら、
 残りのサイドの枚数に関わらず、第1ゲームの勝者がマッチ勝利
ロ、どちらかの残りのサイドが2枚以下なら、少ない方のゲーム勝利。
 →結果、2-0ならマッチ勝利
 →結果、1-1ならサドン・デスへ。

サドン・デスとなる場合

ルール上での引き分け(相打ち)や、第2ゲームの制限時間終了後に1-1となった場合、
じゃんけんで先攻後攻を決めるところから対戦準備を行い、
サイドを1枚置いた状態で対戦をスタートし、サドン・デスを行います。
→サドン・デスの勝者がマッチ勝利
※サドン・デスでは、「すでにとったサイドの枚数」は開始時の「1枚」を基準に計算します。

以下、図説します。

印刷用のPDFはコチラ⇒PDF
※使用許諾は不要ですが、ロロたんぬのXアカウント( @Lolo_tannu )あてに一報ありますと幸いです。

勝利条件の違い

各プレイヤーは、
上記の勝利条件を常に念頭に置きながら対戦を進行していきます。

ーーたとえば、3ゲーム目開始時、
残り試合時間が5分しかないとき。

互角な試合を行うならば、5分で取れるサイドはせいぜい1,2枚くらいです。
そのため、プレイヤーはサイドを取り切ることを意識したプレイングよりも、
5分間でいかにたくさんサイドを取れるか?を意識しながらプレイをしていきます。

ミライドンexデッキなら、真っ先にライコウVのワザ「ライトニングロンド」などでサイドを取るプランを立てるでしょう。
後攻の番の終わりまでは続くので、あとは次の番くらいまで見据えたプレイングをすれば十分です。

──たとえばたとえば、2ゲーム目開始時。
残り試合時間が15分の時。

2ゲーム目は、サイド2枚以下にならなければ、無効試合となります。
1ゲーム目に35分かけ、辛くも勝利したプレイヤーはサイドが4枚とられないよう、15分間を耐え抜きます。
逆に、惜しくも敗北したプレイヤーは、4枚サイドを取って、サドン・デスにはしたいところです。

この場合、進化のポケモンexが主体の遅いデッキを使用していると、
サイドを複数枚取られることが少なく、逃げきることは容易ですが、
すぐにサイドを4枚取りたい、追いかける側の場合、かなり苦しい展開と言わざるを得ません。

さて。

残り時間によるプレイングの違いを説明しましたが、これを逆算していくと、
実はすべてのデッキにおいて、試合開始時にどのような時間配分で対戦するかを、組み立てることができます。

ここからが、僕が本当に話したかった
BO3を楽しむ知識」です。

BO3のプレイング

①ゲームスピードの比較的速いデッキ

アルセウスVSTAR
オリジンパルキアVSTAR
ルギアVSTAR
ミライドンex
パオジアンex
サーフゴーex
古代バレット
タケルライコex

など
相手の動きに関係なく、
攻撃力を利用してサイドを取っていくデッキたちです。
速いデッキ同士の対戦は50分間で3試合をこなせる場合が多く、
「とにかく2回勝つこと」に重きをおいて対戦をしていきます。

先攻後攻を決めるじゃんけんに勝つことで有利になりやすく、
第1ゲームを取ることができれば、第2ゲームを早々に投了することで、
第3ゲームを同じ手番で迎えることができます。

まだ負けていないからといって、
第1ゲームで無理やり勝とうとして、時間を使ったうえに結局負けてしまうと、
50分で2回勝つことが難しくなってしまいます。
投了の判断タイミングが存外早く求められるデッキたちです。
デッキパワーのために戦局が見えづらいため、ゲーム展開を俯瞰して見る練習が必要です。

②場をゆっくりと整えて、後半にまくるデッキ

ロストゾーンギミック
サーナイトex
リザードンex
ゲッコウガex
未来カウンター
ドラパルトex
ハピナスex

など

相手の攻撃を受けながら、場をゆっくりと育てていくデッキです。
対戦時間も1ゲームあたりが長くかかるため、25分1本勝負では短いときがあります。
50分で3ゲームなんて、こなすのはなかなか難しいです。

そのため、速攻デッキと違い、1ゲーム1ゲームを大事に戦っていきます。
先述の通り、1ゲーム目を長くかければ、2ゲーム目は逃げ切ることができるため、マッチ勝利に持ち込みやすいです。

逆に、1ゲーム目が不利だと感じたら、かなり早い段階での投了が必要です。
2ゲーム目で延長時間での勝利となり、1勝1敗となると、サイド1枚によるサドン・デスとなってしまうからです。

サドン・デスでは、サイドを取られてから動き出すようなデッキは超絶不利なので、
できれば3ゲームめは時間内にスタートし、かつタイムアップ時に勝利に必要な残りサイドが少なくなっているところまでは進めたいです。

エヴォリューションや1進化の特性でゆっくり展開する2進化exデッキは、ふしぎなアメを採用しているかどうかが、
第3ゲームやサドン・デスのサイド先行に大きく影響しそうです。

③コントロール系のデッキ

カビゴンStall
テツノイバラex

など

相手のエネルギーをトラッシュしたり、逃げられないポケモンをバトル場にしばったりしながら、
②よりもさらにゆっくりと”詰み”盤面を作るデッキタイプです。

相手が速攻をしかけてくるなら、同じように速度をあげて対戦を進め、苦手なサドン・デスにならないように。
相手がゆっくり育ててくるなら、速度を下げて50分で1ゲームをこなすようにプレーします。

特にカビゴンStallは”50分かけて1ゲームを勝利すること”を得意としており、
Day1の両者敗北にならないための勝利を急ぐカードを軒並み不採用にでき、各対面への対応力が跳ね上がります。
とりあえず候補デッキとして全プレイヤーが使用を意識・練習しておく必要のあるデッキタイプです。

BO3の大会ルール変更

ここまでは去年までの、
2018年から2023年まで、5年ほど親しまれてきた(?)国内ポケカのBO3のルールです。

5/17(金)、トレーナーズウェブサイト更新時に、PJCSにおける大会ルールの変更が告知されました。

勝ち点は、各試合のゲームの勝敗数よって下記の点数が付与される。
①ゲーム勝敗が2-0の場合:勝利したプレイヤーに5点、負けたプレイヤーは0点
②ゲーム勝敗が2-1の場合:勝利したプレイヤーに4点、負けたプレイヤーは1点
③ゲーム勝敗が1-0の場合:勝利したプレイヤーに3点、負けたプレイヤーは0点

正確な勝ち点計算、順位決定の仕方はわかりませんが、
このルール変更によってどのようなことが起こっているか、考察していきます。

あくまで、一個人の見解ですので、鵜呑みにしたり、逆手に取ったりするのは自己責任でお願いします……

大会ルール変更における第一印象

カビゴンStallが相対的に対策された!!!!!!!!!!!

誰しもが感じたことかと思います。
先ほど記載した、”50分かけて1ゲームを勝利すること”が、勝ち点の付与に大きく影響しています。
50分まるっとかけて1ゲーム取るマッチを4回繰り返すと、得られる勝ち点は3×4=12です。
しかし、この勝ち点12とは、本選①を2-0、2-0、1-2、1-2した戦績と同じです。
また、全試合1-0することは、全試合2-1した人と4点の差、全試合2-0した人とは8点もの差が開くことになります。

勝ち点は最終成績に最優先で順位に関わってくるので、1点でも多く獲得する必要があります。

全試合勝ち点5を狙いに行くならば、カビゴンStallはデッキ選択の候補から真っ先に消えてしまうのです。

第2ゲームの投了がよりシビアに

これまでのBO3は、第1ゲームを勝利した際、かなり気軽に第2ゲームを投了することができました。
先攻後攻は好きな方が選べるようになるし、時間を長く使うことができます。
しかし、第2ゲームを投了するということは、自身の勝ち点を1減らし、相手に勝ち点を1与えてしまうことになります。

サーナイトexやドラパルトexなど、サイド先行が難しいデッキタイプも、若干使うのが億劫になってしまったと感じました。

第2ゲームは投了し得……?

前項と真逆の見出しですが、これはかなり覚えておいた方がいいことだと思うので、書いておきます。
45分かけて1ゲーム勝利した場合、待っているのは第2ゲームでの制限時間が終了、勝ち点3-0での決着です。

ここで、第2ゲームを制限時間前に投了して終わらせた場合、
そのあと行われるのは第3ゲームの延長戦です。自分の取りたい先攻か後攻かを選ぶことができ、
そのうえで第3ゲームでサイド差で勝利できれば、勝ち点は4-1になります。

1-0で確実に3点を持ち帰るのも一つ手段ですが、ちょっと頭をめぐらせてみて、自分も相手も勝ち点を+1できることを考えると、
第2ゲームは投了し得なのではないかな、と。

もちろん、対戦相手がミライドンexとかの速攻系だとその限りではないのですが。

実際に順位にどのようにかかわるのか

勝ち点の計算が実際どのくらい最終成績に関わるのか、試算してみます。
day1の予選10回戦を行い、本選①に進むプレイヤーは、
10勝……2名
9勝……約20名
8勝……約90名
となります。

勝利数は翌日に引き継がれるとのことなので、
勝ち点30、27、24を持った状態で最終成績が計算されると仮定します。

本戦①の対戦は、
4-0……7名
3-1……約30名
2-2……約40名
1-3……約30名
0-4……7名
がそれぞれに配布されることになります。

day1予選の成績上位者から順番に上記勝利数を割り振って、
勝ち点を3~5点(負け0~1点)で割り振ってみると、
10+4-0……42~50、最大2名
10+3-1……39~46、
10+2-2……36~42
10+1-3……33~38
9+4-0……39~47、最大7名
9+3-1……36~43、最大20名
9+2-2……33~39
8+4-0……36~44、最大7名
8+3-1……33~40、最大30名

本戦②進出人数8名であることを考えると、
40点以上を持った状態が望ましいと思います。

たとえば、10-0した2名が本戦①でも4連勝した場合、
10+4-0の42~50点が2名、9+4-0の39~46が5名、
9+3-1の36~43点と、8+3-1の33~40点が計30名いる可能性が高いです。
この中で8名しか上がれないことを考えると、
day1 10勝、本選①3-1の成績の最小値、39点よりは高い点数を持っておきたい認識です。

この予想が正しければ、
day1を全勝していても、本選①はカビゴンStallで勝ち点3を4回取りに行くのは悪手かなと思います。
逆に、8-2でday1を抜けた人は、なんとしても2-0勝利を4回が必要になってきそうです。

※実際は予選10-0の2名は本戦①の1回戦めにマッチングされる可能性が高そう……。

ルールを把握することは、自身の勝率(トーナメント進出の可能性)を高めることにつながるので、
ご自身でもなんとなく試算してみることをオススメします。

最後に

大事なことを忘れていたので、5/18 10:00更新です。

フロアルール第9章〜11章にあるように、
投了やインテンショナルドローの選択はプレイヤーの権利ですが、
相手に投了を促したり、対戦結果を改ざんすることは禁止されています。
失格以上、参加資格の停止などのペナルティとなる場合がありますので、
絶対にやらないでくださいね。

長くなりましたが、
出場する人も、しない人も。
PJCS、楽しんでくださいね!

ではではd(℃。)