ニャイキングはガラルにしかいねえだろがい
まえがき
本論文では、リージョンフォームのポケモンのポケカにおける名称に関して考察していく。
考察のきっかけとなったのは今回の弾「バトルリージョン」で登場したバサギリだった。
ガラル地方のポケモンはすべて「ガラル」で始まっているのに、バサギリには「ヒスイ」はついておらず、発売してみればイダイトウには「ヒスイ」がついている。
まずはこの差異に関して法則を見つけ出していく。
また、それ自体は簡単に説明することができるので前半で解説する。
それに加えて後半では、なぜ、ポケモンカードにおけるリージョンフォームのポケモンの命名法則はそうでなくてはいけなかったのか。
そのポケカ的都合に関しても考察していく。
なお、なぜこのポケモンはリージョンフォームなのかという議論は、考察が長くなってしまうのでここでは行わない。
(なぜポケモンが原作に出た順番でオリジナルになっていてあとから出たほうがリージョンなのか、いったい誰が決めているのか図鑑を作っているのはだれなのか国家の権力の差なのかアローラは所詮発展途上国なのかという議論)
1.時系列で整理したリージョンフォームの名称
1-0.アローラ以前の特徴
前回の記事では、キャンプファイヤーの記載にて、無知をさらす結果となった。今回はそのようなことが無いよう、細心の注意を払って記事制作をしていく。この項は、論を進めていく上での揚げ足を取られないための予防線パートとなっている。【論文】などと銘打っている以上、これはポケカ・ポケモン古参オタク達と私との戦いなのだ。うそです。いつも読んでくれてありがとうまじで。
リージョンフォームの考察に入る前に、リージョン以前のポケモンカードに関して触れておく。
図1は「トリトドン」というポケモンのカードを一部列挙した。
左側、DPシリーズで登場したトリトドンは、「トリトドンにしのうみ」「トリトドンひがしのうみ」という別名称のポケモンであり、それぞれ4枚デッキに入れることができる。
対して右側、XYおよびSMシリーズで登場したトリトドンは、「トリトドン」という名称なのでデッキに4枚しかいれることができない。
ここから読み取れる事実は、
そもそもポケモンカードにおけるポケモンの命名に法則など存在しないということだ。
いきなりでばなをくじく(70)ようではあるが、まずはこの事実を事実として、できる限りの考察を進めていく。
ポワルンはいつだって別名称だし、チェリムはいつだってただのチェリムだし、デオキシスは別だったり一緒だったりする。ポケモンカードはポケモンカードの都合で名前を付けている。そんなものだ。
1-1.アローラ地方のポケモンの登場
サン&ムーンシリーズで、アローラ地方のポケモンがカードで登場した時は衝撃だった。
カードだけしかやっていない人は知らないかもしれないが、「アローラ〇〇」という名称はポケモンカード独自の名称である。
ゲーム本編を含むほとんどの作品では、「リージョンフォーム」「アローラのすがた」という呼び方はあるが、図鑑の登録やバトルでの登録は同名のポケモンとして扱われる。
例えば、ランダムマッチではニャースとアローラのすがたのニャースを同じパーティにいれることはできないのだ。
対してポケモンカードでは、「ペルシアン」と「アローラペルシアン」は別名称のポケモンなので、それぞれ4枚デッキに入れることができる。
ポケモンカードしかやっていない人にとっては当たり前かもしれないが、実は本編との大きな違いである。
また、そのリージョンフォームにも、実は2種類のパターンがある。
一つは、ニャースのように、進化前も進化後もリージョンが存在するパターン。(ダグトリオ、キュウコン、サンドパンなど)
もう一つは、進化前は非リージョン、進化後でリージョンの分岐があるパターン(ライチュウ、ナッシー、ガラガラ)
ここで2つの疑問が生まれる。
一つは、なぜポケモンカードにおいて、通常フォームとリージョンフォームを分けたのか。
もう一つは、なぜ「ニャース アローラの姿」ではなく「アローラニャース」という命名にしたのかということだ。
この2点に関しては、後程解説する。
1-2.ガラル地方のポケモンの登場
本編「ポケットモンスター ソード/シールド」の情報が出た時も衝撃だった。
これまで、姿はちがうものの、ライチュウやペルシアンなどのアローラのすがたのポケモンはすべて同一名称だった。
しかし、ソード&シールドシリーズでは新たに「ニャイキング」や「デスバーン」のようにリージョンフォームからの進化で名称が変わるポケモンが登場した。
ポケモンカードだけを楽しんでいる人にとってはあまり衝撃ではなかったかもしれないが、これらがカード化されたときには若干の違和感があった。
簡単に言うと、「ガラルニャイキング」という呼び方に非常に違和感があったのだ。なぜならニャイキングはほかの地方に存在しないポケモンだからである。
タチフサグマ、バリコオル、サニゴーン、ネギガナイトなど、これまで進化しなかったポケモンがリージョンによって進化した例も同様の違和感を感じた。
それに関しては後に考察するとして、まとめるとガラル地方のリージョンフォームには3パターン存在する(図3)
アローラと比較すると、一つパターンが追加されていることがわかるだろう。
なお、サニゴーンやネギガナイト、バリコオルなど新たに進化先が追加されたポケモンも、Cパターンの派生であると考えられる。
1-3.ヒスイ地方のポケモンの登場
ここまでの考察を踏まえると、バサギリとイダイトウの例に関しても自然と解答できるようになる。
ガラル地方の例(図3)にて、3つのパターンを示したが、イダイトウは上記例のC例に当てはまっているが、
バサギリは分岐:進化後、進化後の名称:別(ハッサムとバサギリ)ということで上記A~Cの3パターンのどれにもあてはまっていないのだ。
言うなれば、バサギリはポケットモンスター金銀でイーブイの進化系にエーフィが追加されたのと同様の進化種別であることがわかる。
ゆえに、バサギリには「ヒスイ」がつかないのだ。
2.考察:リージョンフォームの命名法則のまとめ
ここまでの考察をまとめると、図4のようになる。
まだ出てないリージョンに関しても、上記のマトリクスに当てはめて考えるとポケカにおける名称が想定できる。
マルマイン、ウインディ、ゾロアークはいずれも、アローラペルシアン等と同様のBに当てはまるため、おそらく「ヒスイビリリダマ→ヒスイマルマイン」「ヒスイガーディ→ヒスイウインディ」「ヒスイゾロア→ヒスイゾロアーク」となるはずだ。
また、オオニューラに関しては、ニャイキングと同様Cに当てはまるため、おそらく「ヒスイニューラ→ヒスイオオニューラ」となることが予想できる。
わかりやすいようにさらに細分化すると以下のようになる
その他のポケモンに関しても(ネタバレに配慮)上記の図をあてはめるとポケモンカードにおける名称が予測できるだろう。
ゆえに最初の問いに対しての回答としては、
バサギリがバサギリの理由…エーフィと同じだから
アヤシシがアヤシシの理由…エレキブルと同じだから
イダイトウがヒスイイダイトウの理由…ニャイキングと同じだから
という説明ができる。
3.考察:なぜそのような命名法則になったのか
ここまで棚上げしてきた論点が二つある。
①なぜ「ニャース アローラのすがた」ではなく「アローラニャース」になったのかということ。
②そもそもなぜ「ニャース」ではなく「アローラニャース」と名称を分けたのかということだ。
真相はクリーチャーズのみぞ知るところだが、私の想像を書き残して置く。
3-1.リージョンフォームの名称順序の理由
なぜ、「ニャース アローラのすがた」ではなく「アローラニャース」になったのかという問題だが、これはおそらくカードゲームにおけるわかりやすさを重視したためだと思われる。
大きく関与してくるのが「リピートボール」や「そっくりベル」など、同じ名前のポケモンを参照する効果のカードを使ったときである。
「ニャース」と「ニャース(アローラのすがた)」では、直観的に同じ名前と認識しても不思議ではないし、ゲーム内で同じ名前のポケモンである以上、同じ名前のカードではないという確証が得られづらいのではないか。と考えられる。
ポケモンカードを初めて間もない時を思い出してほしい。「ニャース」と「ニャース(アローラのすがた)」というカードがあったとしたら、同じ名前ではないと言い切れるだろうか。
その点、「ニャース」と「アローラニャース」であれば、違う名前のカードであることがある程度感覚的にもわかる。
この名称に関しては、違和感が残るところではあるが(さすがに結構慣れたが)、ルールの明瞭化の意味では良い判断だったのではないだろうか。
3-2.リージョンフォームの名称を変えた理由
そもそも、なぜリージョンのポケモンを名称を分ける判断をしたのかについてだが、これは単純で、ゲームでは勝手に正しい進化先に進化してくれるが、カードではニャース→アローラぺルシアンのように進化されると困るからだ。
ニャースとニャース(アローラ)を明確に券面上で区別しておかないと、設定上ありえない進化ができてしまう。これが一番の理由だろう。
これで説明できてはいるが、そうでなかったとしてもそっちの方が面白いからという理由もある思う。
例えば、ニャースが好きな人がいたとしたら、ニャース(カントー)、ニャース(アローラ)、ニャース(ガラル)を合わせて4枚までしか入れられないよりは、それぞれ12枚入れられた方が絶対に楽しいと思う。
サンムーンシリーズでは、実際5枚以上使用されていたことはそこまでなかったかもしれないが、最近では「マタドガス」と「ガラルマタドガス」を合わせて5枚以上入れる構築も存在している。
カードゲームはコンボ/組み合わせを楽しむゲームであるため、カードプールにおける”可能性”という意味では、一枚のカードに関連するカードの多さは面白さの幅を広げる要素になる。
4.まとめ
制作側の目線に立った時に考えることは2つあるだろう。
「どちらがより面白いか」と、「どちらがよりわかりやすいか」である。
この目線で考えてみると、あらゆることに理由を見出すことができる。
リージョンフォームのポケモンが別名称なのは、そっちの方がたくさんデッキに入れられて面白いから。サニゴーンやバリコオルにわざわざ「ガラル」がついているのはそっちのほうがカードだけやっている人にわかりやすいから。
トリトドンが、出た当初は2種類いたのは、組み合わせて使うと面白いから。のちに1種類になったのは、メインのシリーズではないため、2種類収録できない以上名称を付けないほうがわかりやすいからであろう。デオキシスやアンノーン等に関しても同様。
ロトムやポワルンがいつでも複数名称で出るのは、様々なタイプがあって面白いから。そして、見た目もタイプも違うので、違うカードであることがわかりやすいからだと思う。
リージョンフォームの考察を通じて、少し制作側の気持ちに触れることができたかもしれない。
おまけ:たいマックスVStar
以前まで、デッキレシピに関する記事を書いて♥を競っていた「たいマックス」ですが、
今回から「たいマックスVStar」として生まれ変わりました。
それぞれ自由に新弾に関する文章を書いてバトルするフリースタイルになったので、他の人の記事もぜひ読んで、面白かったら♥を押してください!!
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