おはこにゃばちにんこ。
ロロたんぬです。

ADV PCGレギュレーションの自主大会
W虹杯に参加したので、
その備忘録もかねて、たいあたりジム初の
ADV PCGレギュレーション記事をしたためようと思います。

※この記事は若干の予備知識を必要とします。
興味のある方は是非、
プレイジムTOKYOの動画なども参考にしながら、
理解していただければと思います。

もっと詳しいことが知りたい人は、
主催の一人、ればにらさんの記事を参照してください!

①ざっくり解説

ADV PCGレギュレーションとは
ポケモンカードゲームは約30年続いています。
そのうち、2003年〜2006年頃に発行された、
「ポケモンカードゲームADV」シリーズ、「ポケモンカードゲーム」シリーズを主に使用します。
2007年に発行されたワールドチャンピオンズパックのカードも使用することができるようにしてあり、
史実としては存在しないレギュレーションです。

ポケモンexと非ポケモンexのサイドレース、

ロケット団の幹部や逆転!マジックハンドによる逆転の要素、

現行のスタンダードに通じる要素がありつつ、
煮詰めれば煮詰めるほど奥深いルールとなっています。

海外でも「EX Series(ADV〜PCGの総称)」「RS-PK(Ruby&Sapphire〜Power Keepers)」というフォーマットとして親しまれているほどです。

②ライチュウ+ナッシーデッキとロロたんぬ

プレイジムTOKYOに従事してからこのレギュレーションについて覚え始めたロロたんぬが、
最初に組んだデッキこそ、
ライチュウδ-デルタ種とナッシーδ-デルタ種を組み合わせたデッキ、通称ライエッグスでした。

きっかけは簡単で、
「手持ちにあるギリギリの資産で、唯一組めそうな環境デッキだった」から。
ホロンのカードや封印の結晶などは過去(10~15年前)の自分がストレージコーナーからかき集めており、
ピカチュウ、ナッシーの何枚かはたまたま手元にあったので、
足りないエネルギーやライチュウ、タマタマなどを集めるだけでデッキになりそうでした。

そこから、ロロたんぬのライエッグス奇譚が始まるのです。

③ライエッグスの解説

何をするデッキか

プレイジムTOKYOの動画では散々説明した内容ですが、
一旦書き留めておきます。

・ばらまき性能が高い

ライチュウのワザ「パチパチ」、ナッシーのワザ「ばくれつだん」、呪われたほこらの効果などで、
サイドを取らないようにしながら、相手の場にダメカンを蓄えることができます。

相手がポケパワーに依存したデッキである時点で、封印の結晶により相手の動きを止めながら、ばら撒いてるだけでサイドを6枚取ることができます。
封印の結晶の効果は「なくなる」ではなく、「使えず、はたらかない」って書いてあるのが非常にえらいです。

・大ダメージも出せる

ライチュウのワザ「メタルサンダー」、ナッシーのワザ「デルタサークル」で40〜90ダメージをコンスタントに出すことができます。
相手がバラマキを嫌ってベンチポケモンを出さないようにしてきたら、素直にバトル場にダメージを与えてもよいです。

・上記の2つの動きが、少ないリソースで行える

「パチパチ」や「デルタサークル」に必要なエネルギーが軽く、
サイドを取らないように立ち回れるので、
スクランブルエネルギーを十二分に働かせることができ、
「メタルサンダー」や「ばくれつだん」をたくさん使えます。

④環境における立ち位置

ポケパワーに依存したデッキにはまず負けないです。
ふしぎなアメを手札に加えるために「マッハサーチ」ピジョットを採用していたり、
「ほしのねがい」ジラーチでデッキを回すようなタイプであれば、
呪われたほこらと「パチパチ」だけでサイドを6枚とることができたり、
相手がポケパワーに頼らなければ、デッキパワーの差で勝つことができます。

逆に、「パチパチ」が通りにくい相手は少し厳しいです。
特に「ポケモンex単デッキ」のような、バラマキにも強く、中打点をいなせるような構築に対しては
スクランブルエネルギーをからめても勝ちきれない印象です。

ただし、スクランブルエネルギーがはたらけば90ダメージを出せる1進化デッキである、
ということは非常に強力で、同じHP・ダメージラインで競う相手とは、
“まくる”と”まくられる”の関係になり、必ずいい試合ができます。

ライエッグス所感

体感ですが、ライエッグスは
ほぼすべてのデッキに勝率5割だと感じています。
わるいバンギラス+マルマインexのデッキや、
オドシシ+レックウザexのデッキ、サーナイトex、フライゴンexなど、
いわゆるTier上位デッキに対し、有効な攻撃・妨害手段を採用することはできるものの、
数十種類とあるアーキタイプすべてに対応することは難しく、
採用枚数を調整したり、その結果手札がかみ合わなかったりします。

逆に、弱点タイプが軸のデッキや、バラマキの効かない単構築を相手にしていても、
ロケット団の幹部が多く入っていたり、うまくカウンター状態を作れれば、
“まくる”こともできなくないデッキです。

初めて組んだ状態で、初参加したイベントでは、
相手が何をするデッキかまったくわからなくても、
とりあえず「パチパチ」でばらまき、サイドの枚数に差がついたらスクランブルエネルギーで大ダメージをねらう
といったテンプレートっぽい動きをしているだけで、
勝ち越すことができたと記憶しています。

逆に言えば、
この「環境」を読み切ることができ、相手のデッキを理解してしっかり立ち回れば、
ライエッグスは無類の強さを発揮できるのでは?
と意気込んでいるのが、現在のロロたんぬです。
べ、別にADVPCGのデッキが1個しかないわけじゃないんだからねっ

⑤W虹杯の想定

第3回W虹杯では、
わるいバンギラス+マルマインexのデッキがTier1と言われていて、
結果、優勝したデッキも、バンギ+マインでした。

新しいカードの増えない環境ではあるものの、
〇〇が強いなら△△で……といった考え方で
デッキを調整できるのがADV PCGの面白いところです。

しかし、バンギマインは
・ポケパワーは「エネエネボンバー」1回で十分なので、封印の結晶を1回はがせば盤面が完成する
・非ポケモンexが主体なので、ex対策も刺さらない
・弱点をなくせるカードがあり、ダメージレースでも負けにくい
・自分からカウンター状態を作れるので、カウンター系のデッキに弱くない

ライエッグスが全てのデッキに理論上5割とするなら、
バンギマインは全てのデッキに理論上6割みたいなデッキです。

1年経った今でもその評価は変わらないどころか、
プレイヤー人口がジワジワと増えたことで、
「一旦バンギマイン」の択を取るプレイヤーが増えていると予想しました。

同じくTier上位とされているデッキに、
オドシシを軸にしたコントロールデッキがあります。
「あやしいなきごえ」「つきおどす」で相手を妨害しながら、
相手にサイドを取られたところでカウンターをします。
「いかりのオーラ」レックウザex δ-デルタ種と組み合わせたり、
スクランブルエネルギー+バクーダ、ナッシーと組み合わせたりしています。

バンギマインが進化デッキであることから、
オドシシによるコントロールで時間をかせぐことができるし、
それ以外のデッキにも、レックウザexなら手札からエネルギーをつけるだけで制圧できることがあり、
多くのデッキに高い勝率をかせげます。

このデッキも、「一旦強い」枠で、
プレイ人口が増えると使用率も高くなると予想されます。

もうひとつ意識をするデッキは、
サーナイトex δ-デルタ種やフライゴンex δ-デルタ種を軸とした2進化デッキです。
非ポケモンexや、たねのポケモンexが2回の攻撃で倒す倒されるの関係にある中で、
2回の攻撃では倒されにくい2進化のポケモンexを軸にすることで、
相手が勝ちきれない状況を作ることができます。
特に、サーナイトexは「ふういん」を持っていたり、フライゴンexは「すなおこし」を持っていて、
長期戦になればなるほど有利なデッキです。

オドシシのような、自分からサイドを取ることも自爆して取らせることもしないデッキに対し、
単体スペックの高さやポケパワー・ポケボディーの強さで圧倒できます。

2進化ポケモンを多く入れることで、ふしぎなアメが能動的に使えるようになり、
「マッハサーチ」ピジョットを採用できるようになることも強みです。
バンギマインにカウンター状態をつくられ、
ロケット団の幹部を使われても、必要なカードを手繰り寄せたり、
闘抵抗+にげられないのコンボでターンを稼ぐなど、
PCG初期のカードでありながら、あらゆるスペックがちょうどよいカードとなっています。

少し難しいデッキなので、「一旦強い」枠とは言い切れませんが、
大規模大会で選択するということは、そのプレイヤー自身が強いことの裏付けになり得ます。

SNSを見ていても、
これら3つのアーキタイプが意識されているように感じました。
ADV PCGはアーキタイプの幅の広さが売りですが、
W虹杯ピンポイントで考察をすると、
この「一旦強い」系3デッキに、7試合中4〜5回はマッチングするだろうと思いました。

これは後日譚ですが、当日はサーナイトexデッキに、
「エネスイッチ」サーナイトδ-デルタ種が採用されていることから、
ホロンのポワルンを付け替えてたねポケモンexで弱点をつくデッキも人気だったようです。

対策を考える

「一旦強い」3デッキたちの動きを見ていて、
苦手な部分を自分なりに洗い出してみました。

・バンギマイン

机上論こそ最強クラスですが、
2進化デッキであること、
「エネエネボンバー」のためのエネルギーはトラッシュしておかないといけないこと、
そのトラッシュしたエネルギーの中に
ホロンエネルギーCYN:FFと基本炎エネルギーがないと弱点がなくならないことから、
盤面を完成させるまでの要求値は、決して低くないと思います。

・オドシシ軸

手札からエネルギーをつけるだけで戦うたねポケモンが軸のデッキです。
ポケパワーに頼らないため”今ある手札”で戦うことになります。
手札干渉でプランが崩れることが多そうな印象です。

・2進化ex

完成すれば、バンギマインにも、オドシシにも強いデッキですが、
ポケパワーへの依存度が若干高く、封印の結晶によって困る場面が多いデッキだという認識です。
もちろん、バンギマインにもオドシシにも封印の結晶が入っていることが多いので、
要所で引けるかどうか、それをはがせるかどうかといったところで運の要素が絡みます。

⑥ロロたんぬのライエッグス の変遷

初めて組んだ時のライエッグス


公式でデッキリストを作れないレギュです。

当時Xくらいしか参考にするリストがなかったので、
直近でヒットしたものをベースに構築しました。
各種ピン刺しの対策カードの使い方がわからなかったため、自分の動きを優先しています。

ミュウ☆δ-デルタ種だけはメタカード枠ですが、
入手難易度が高く「せっかく手に入れたので」採用しました。
相手の水弱点のポケモンのワザをマネして大ダメージを狙ったり、
「デルタサークル」のダメージを担保したりできます。

ラプラスはδ種のポケモンではありませんが、
ベンチに出した時にサポーターを山札から手札に加えられるポケパワーを持っています。

環境理解が進んで……

第3回W虹杯の結果が出て、プレイジムTOKYOチャンネルのデッキ紹介を重ねる上で、
なんとなく流行り廃りが理解できてきました。
そこで組み替えた形が以下。

・手札からエネルギーをつけることが大事
・封印の結晶をとにかくつけよう

これを解決するために、漂流者と基本エネルギーを採用しました。
たねポケモンにもつけられるエネルギーがあると、事前に「パチパチ」の準備ができるし、
終盤に1エネルギーついた状態のライチュウが、
Wレインボーエネルギーで「メタルサンダー」を使えるようになります。
手張りの回数は多ければ多いほどよい、というのが知見です。

また、ゆめいろさんが進化デッキを使ってくることが予想できたため、
この対戦では超古代のワザマシン[岩]を採用して決定力を上げています。

最終調整

W虹杯の出場が決まり、現在のメタゲーム的にこう組むのはどうだろう?というアプローチ。
ヒラノさんと対戦動画を収録しました。

「パチパチ」よりも「ばくれつだん」が大事になり採用枚数を替えたこと、
試しにバトルサーチャーや砂漠の遺跡、ヒーリングエネルギーなどを試しています。

提出したデッキリスト


写真で分かりにくい人はコチラ

今回の理念は、先の考察の通り、
バンギマイン、オドシシ軸、2進化ex軸に勝つことが目的です。
・引き続き手札からエネルギーをつけることが大事
・自爆されてカウンター状態を作られても「メタルサンダー」や「ばくれつだん」を使えるようにしたい
・最大HPが70〜80と低いデッキだが、コントロールデッキから20〜30ダメージを刻まれる機会が多い

以下、各カードの採用理由、不採用理由を解説しつつ、このデッキのやりたいことも踏まえて紹介していきます。

メインデッキ

ライチュウ4-3
ナッシー4-4

最初は「パチパチ」がメインのデッキだったので、ライチュウの方が4-4採用でした。
しかし、バンギマインはポケパワー・ポケボディーを持つポケモンがマルマインexやジラーチのみ、
オドシシ軸はレックウザexのみと、「パチパチ」のダメージが期待できないことが予想されました。
にげるためのエネルギーが0個、鋼鋼無で80〜90ダメージが期待できる「メタルサンダー」のバリューは引き続き高いため、4-3採用です。

わるいバンギラスやオドシシなど闘弱点のポケモンと相対する機会が増え、「デルタサークル」が強いこと、
お互いにカウンターを狙いたいデッキ同士の対戦の時に、サイドを取らずに「ばくれつだん」を使い続ける可能性が増えたことなど、
3回以上ワザを使うのがナッシーに寄っている環境だと判断し、4-4まで増やしています。

ホロンのポワルン4
ホロンのコイル3


手札からポケモンにつけて、エネルギーになれる能力を持っています。
コイルは無条件で無色1個ぶん、
ポワルンはつけているエネルギーを戻すことですべてのエネルギー2個分になります。
このカードの強みは、ポケモンを手札に加える効果で選ぶことができます。
特に、ホロンの導師、ポケモン回収装置といった、
まとめてポケモンを手札に加えたり山札にもどしたりする機会が多いデッキなので、理にかなっています。
このカードの弱みは、たねポケモンであるため、対戦準備時にスタートしてしまうことです。
採用枚数を減らしたり、スタートしてしまっても場から回収できるカードを増やすことで調整します。
ホロンのポワルンは、ワザ「デルタドロー」を持っていて、
場のピカチュウ、タマタマの数ぶん山札を引くことができます。
サポーターを使っても条件付きで3〜6枚ドローしかできない中で、
ワザの効果で1〜5枚ドローを目指せるポワルンは優秀で、
倒されるまでの間にずっと手札を蓄えてくれて、盤面にエネルギーをつけ続ける時間を稼いでくれます。

ホロンのトランシーバー4
ホロンの導師3
ホロンの冒険家1
ホロンの科学者1


山札からもトラッシュからも、ホロンとつくサポーターを
手札に加えられるホロンのトランシーバーの汎用性が非常に高いです。
導師は山札からHP100以下のたねポケモンを3枚加える、
冒険家は3〜4枚引く、科学者は相手と手札の枚数を揃えることができます。
いずれも手札を1枚トラッシュしないと使えませんが、
不要なカードを処理できるメリットのある効果とも言えます。
導師は対戦中1回しか使わない、サイド落ちケアの2枚採用派でしたが、
ホロンのポワルンとコイルをたくさん入れたので、
手札にエネルギーを確実に引きたい場面で
2回目の導師を使う可能性が多くなったと感じ、3枚目を採用しました。
4枚目の導師や、2枚目の冒険家、研究員の採用など、構築に色が出せる部分です。

ロケット団の幹部3


スタンダードに読み替えるとナンジャモ、近い効果ではNと同じカードです。
特にこのレギュレーションでは残りサイドが少なくなった後の幹部は、
お互いに欲しいカードが引けない可能性が高いです。
ライエッグスにおいては相手にサイドを取らせてから、残りサイド4-6くらいで
相手の手札を弱くしながら「パチパチ」「ばくれつだん」で詰めるのがセオリーですが、
自分の手札が少なくなってからは使わないので、4枚採用はあきらめました。
後述しますが、代わりにバトルサーチャーが1枚入っています。

ダイゴのアドバイス2


最大6枚引ける、ドローすることにおいては最強パワーのサポーターです。
しかし、引ける枚数が相手依存であること、
手札が6枚以上+ダイゴの状態だと使えないことなど、制約も多いです。
もともとこちらがバラマキを意識したデッキであることから、
相手の場にポケモンを出してもらえないことが予想され、
このサポーターのバリューが低いと判断し、採用枚数を2枚に抑えました。

ハギ老人の思いやり1


初めての採用です。
オドシシのワザ「あやしいなきごえ」と「つきおどす」
レックウザexの「ポイントショート」と「てんくうのツメ」
ナッシーやバクーダの「ばくれつだん」、
わるいバンギラスの「おしつぶす」と「スピンテール」など、
中打点とも言えない絶妙なダメージが撒かれることが多いと予想し、
それを回復する目的で採用しました。
エネルギーも手札に戻ってくるので、
貴重な特殊エネルギーを使い回すこともできて使い勝手の良いサポーターだと思います。
一応、スタートしてしまったホロンのコイルを手札に戻すことができますが、
ハギ老人そのものを山札から手札に加える方法はありません。

バトルサーチャー1


1つ前の構築では2枚採用していました。
ホロンサポーターも、ダイゴも、幹部も、全部増やしたい、
だけどそれぞれ、使いづらい・相性が悪いマッチアップもあります。
これらの採用をバトルサーチャーに1枚差し替えることで、全体的な採用枚数を抑えつつ、
適切なタイミングで適切なサポーターを使える機会が増えます。
しかし、最初の1枚目を使ってトラッシュしておかないと手札に加えられません。
2枚採用の際は初手に来てしまう問題があったので、1枚に減らしました。

ポケモン回収装置3


ライチュウまたはナッシーを相手に合わせて適切に使うデッキなので、
ライチュウを6回戦わせたい!みたいな状況でたくさん使います。
また、ホロンのコイルやポワルンをもどすことで
デッキに残っているエネルギーの総数も回復させることができます。
さらに、終盤の「デルタサークル」のダメージを確保するために、
たねポケモンの数を増やす必要もあります。
1枚を手札に加えること、3枚を山札に戻してプランを太くすること、
どちらも強力なので、ライエッグスと相性の良いカードです。
4枚入れたかったですが、ホロンのポワルン、ホロンのコイルの総数を増やした影響で
1枚削りました。61枚目ならここかなあという印象。
「デルタサークル」のダメージを大事にするなら、
デルタ種のポケモンの現物を増やすことも検討。

封印の結晶4


バトルポケモンにつけているだけで、ポケパワーを使えず、ポケボディーがはたらかなくなります。
持っている状態がなくなるわけではないので、「パチパチ」によってダメージを与えることができます。
2進化が主体のデッキには気持ちがいいほど刺さるどうぐですが、
暴風によってトラッシュされたり、ワープポイントでバトルポケモンを入れ替えられたりして
一時的に解決されてしまいます。
バンギマインにはこれが死活問題で、
「エネエネボンバー」1回使えれば盤面が完成するため、
1枚の暴風があるだけで封印の結晶4枚採用が意味を為さなくなります。
レックウザexの「いかりのオーラ」をはたらかない状態にするだけで十分役割があるので、
4枚から減らすことはないですが、環境読み次第では……みたいな枠だと思います。

呪われたほこら3
砂漠の遺跡2


どちらも、ポケモンチェックでダメカンをのせるスタジアムです。
呪われたほこらは「パチパチ」と相性がよく、
ものすごい勢いでベンチのピジョットやサーナイトのHPを削ることができます。
しかし、バンギマイン、オドシシ軸のデッキには、
全くと言っていいほど呪われたほこらが刺さりません。

そこで、砂漠の遺跡を採用することで、
レックウザex、サーナイトex、フライゴンex、ジュカインexなど
多くのポケモンexにダメカンをのせることができるようになります。
また、採用枚数を散らしたことで、自分で自分のスタジアムをトラッシュできるようになり、
スタジアムが活躍しないマッチアップで手札がかさばる不安も少なくなります。
スタジアムの総数を5枚にしたことで、相手のクリスタルビーチをトラッシュしやすくしたり、
暴風によってトラッシュされる枚数の総数を上回れるようになっています。

Wレインボーエネルギー4
スクランブルエネルギー4


ナッシーの「ばくれつだん」、ライチュウの「メタルサンダー」を使うための最強エネルギーです。
進化ポケモンにしかつけられない、与えるダメージが減る・サイドを参照するなど、扱いにくい部分があります。
カウンターデッキ同士の対戦では、この扱いにくさを逆手にとり、
ダメージが10足りない状況を作ったり、サイドを取らないようにするなど、
プレイングでカバーする部分が多いです。

ヒーリング・エネルギー2


つけた時に10回復+特殊状態の回復ができます。
特にオドシシの「あやしいなきごえ」に強く、
継続して「パチパチ」や「ばくれつだん」を使い続けることができます。
また、このデッキはW レインボーエネルギーやスクランブルエネルギーと
たねポケモンにつけられないエネルギーが多いため、たねポケモンにつけられる貴重なエネルギーです。
ワープエネルギーでも特殊状態を回復させる点で同じ役割を持たせることができます。
逆転!マジックハンド+アクア団のアジトの逃げロックに対しては
ワープエネルギーの方が解決できる可能性が高いです。

減らした、採用を検討したカード

ピカチュウ HP40


プロモカードでワザ「でんじは」を使えます。
このマヒのおかげで1ターンをもらえることが多いので、
導師の選択肢を増やすため、4枚中1枚をこのピカチュウにしています。
わるいバンギラスの「スピンテール」を2回耐えられない、
鋼エネルギーを採用していないという点で、HP50を4枚採用することを優先しました。
「デルタサークル」のダメージになるので、デルタ種以外は採用しません。

ラプラス


ホロンの導師で手札に加えられて、
「サポーターナビゲート」で2枚目のサポートにつなげることができます。
ペパーでシークレットボックスをサーチするような感覚です。
そっくり!テレポーターを採用していないので、不採用です。
一応、自分の「パチパチ」やほこらで、あえてきぜつさせるとかいうプランがあります。

ミュウ☆δ-デルタ種
ミュウδ-デルタ種


ホロンのポワルンをつけることができれば、
ウインディexやハッサムexのワザを利用して、弱点で返せるなど、強力な役割を持ちます。
いわゆる単構築に弱いデッキタイプなので、ミュウの採用には価値があります。
水のミュウ☆δはウインディexをあまり環境で見かけない、
炎のミュウδは未所持というところから、砂漠の遺跡だけでなんとかしようと思いました。
炎のミュウδは持っていたら採用していたかもしれません。

そっくり!テレポーター


スタートしてしまったホロンのポワルン、ホロンのコイル、
場に出したラプラスなどを、山札にあるピカチュウやタマタマにすることができます。
ホロンの導師を3枚採用するほど、たねポケモンの展開がしたいデッキなので、
ネストボールと同じ役割で採用することもできるトレーナー(グッズ)です。
今回は導師に枠を譲ったので不採用ですが、
ホロンのコイルスタートが本当にどうにもできないので、1枚は欲しいです。

鋼エネルギー


ライチュウが受けるダメージを減らしたり、ホロンのコイルが「ちょくげきだん」を使えるようになったり、
ホロンの研究員を採用していれば手札に加えられたりします。
このデッキの目標に「エネルギーをたくさんつければ相手のエネルギー破壊に強い」という理念もあったため、
エネルギーそのものの採用枚数を増やしていましたが、
ホロンのコイルやポワルンを増やし、鋼エネルギーは不採用にしました。
結果的に、ホロンの導師やポケモン回収装置のバリューを上げることができ、
デッキ全体の再現性が上がったと思います。

ワープエネルギー


ヒーリング・エネルギーと役割が被ります。
ライチュウが場にいないとき、
入れ替えて出すバトルポケモンに困りそうだと思ったので、こちらは不採用です。

漂流者+基本闘エネルギー


一つ前の構築で採用していました。
相手のデッキがわからない時は、とりあえず
たねにつけられるエネルギー+封印の結晶+次の番のサポーターまでを用意できるので、
対応できる範囲が広く、このギミック自体は気に入っています。
しかし今回はピンポイントでバンギマイン、オドシシ軸を意識したため、採用しませんでした。
カジュアルな対戦会レベルならこの型に戻すと思います。
基本鋼エネルギーはこの時代に無いので、基本闘エネルギーしか選択肢はないです。

ホロンの研究員


このデッキで唯一、進化ポケモンを手札に加えられるサポートです。
手札を2枚消費して1枚しか手札に加えられないパワーの低さから、
ロロたんぬのプレイスタイルに合わず、長いこと採用していません。
鋼エネルギーを抜いたため、いよいよ使う理由がなくなりました。

逆転!マジックハンド


カウンターキャッチャーに、「ちょっとずらす」の選択肢を組み合わせた最強トレーナーです。
2進化exが環境の中心だった時はライエッグス的に非常に強力なトレーナーでしたが、
みんながみんな、カウンターを意識したことで採用が難しくなっています。
特にライエッグスは自爆できないため、
相手にカウンターを許してしまうと、カウンター状態にもどすことはまずできません。

エネルギーリムーブ


クラッシュハンマーです。
お互いにカウンターを狙っている間は、スクランブルエネルギーがはたらかず、
手札からエネルギーをつけるだけがエネルギー加速手段です。
しかも、ホロンのポワルンが採用されていると、
相手が自らエネルギー1枚をはがして1枚をつける動きをしてくれるので、
このポワルンをトラッシュすれば手張り2回ぶんをはがせたことになります。
今ライエッグスを使うなら、逆転!マジックハンドより
コチラの方がエネルギーのテンポを稼ぐことができます。
ただし、採用する場合は4枚採用が前提になるため、デッキ枠を非常に圧迫します。
今回ロロたんぬは、自分がエネルギーをたくさんつけることを優先しました。
そのため相手にトラッシュされたあとにリカバリーしやすくなっています。
エネルギーリムーブがコインに依存しているため、4枚採用で剥がされるエネルギーの期待値は2枚。
こちらがエネルギーを4枚多く採用しているため、
長期戦になった際により多くエネルギーをつけられるのはコチラ、という理屈です。

超古代のワザマシン[岩]


進化ポケモンにしかつけられない、ワザマシン デヴォリューションです。
「パチパチ」「ばくれつだん」「呪われたほこら」「砂漠の遺跡」で貯めたダメカンを用いて、
一気に相手の場を更地にできます。
今回はバンギマイン、オドシシ軸を意識したため不採用ですが、
2進化デッキ、ライエッグスミラー、ex単構築に非常に強力な1枚となりえるので、
環境読み次第では2枚採用も検討されるかも。

ホロンのビリリダマ
ホロンのマルマイン
ホロンのレアコイル


手札からエネルギーとしてつけられるポケモン一覧です。
ビリリダマは、コイルの代用になりますが、
鋼エネルギーが入っていないことがバレるので、オススメしません。
マルマインとレアコイルはポワルンの代用になります。
「デルタドロー」が使えませんが、スタートしないというメリットがあります。
ポワルンの需要が高まりすぎた結果、キラカードですが中古相場は同じくらいです。

⑦当日のマッチアップ

上記机上論がどこまで通用したかを振り返ります。ご笑覧ください。

vsメタグロスδ+カイリューδ


ポケパワー依存デッキであるため、封印の結晶と「パチパチ」でテンポを稼げる相手ですが、
「ばくれつだん」などでダメカンをのせている間に、
ポケモンリバースでベンチを呼ばれ、封印の結晶を解除されたうえに
エネルギーがついたところを狩られ、テンポ負けしてしまいました。
超古代のワザマシン[岩]を採用したり、
もっと前のめりに「パチパチ」を使っていれば
チャンスのあるマッチアップだったかもしれません。

vsボーマンダδ+マルマインex


想定していたバンギマインに近いコンセプト。
ボーマンダδはワザのレパートリーはわるいバンギラスに劣るものの、闘抵抗を持っているため、わるいバンギラスや”わるいバンギラスを倒しに来た闘ポケモン”に負けにくいデッキです。
お互い立ち上がりが悪く、こちらがずっと「ばくれつだん」を使い続けてカウンター状態をつくらず、睨み合う場面を長く保っていましたが、
相手の手張りが間に合い、相手から攻撃された上、「エネエネボンバー」まで使われて、返せない状況になってしまいました。
「ばくれつだん」でたねポケモンを枯らせるタイミングがあったかも、超古代のワザマシン[岩]を採用していれば……という後悔のあるマッチアップでした。

vsライエッグスミラー

ここまでめちゃくちゃ解説してきたんですけど、
ライエッグスミラーのこと、全く考えてなかったんですよね。おばか。
その場で頭をめぐらせて、相手のナッシーに「ばくれつだん」を当て続けて、
後続のナッシーの「デルタサークル」だけで、
相手のHP80のナッシーも闘弱点のライチュウも全て倒せるぜ!というプランを想定してバラマキを開始。
暇なターンはなるべくライチュウに無色1個エネルギーを手張りしておいて、
Wレインボーエネルギーで「メタルサンダー」を使える準備もしておきます。
80ダメージになるので、全員倒せます。
お相手はエネルギーリムーブ採用型でしたが、相手のエネルギーつけ間違いなども相まって、
こちらが倒されないターンがあったり、Wレインボーの残り枚数で上回ることができ辛勝。

vsライエッグスミラー

同じデッキが同じ勝率になる、それはそう。ということで連続ミラーマッチ。
今回も同様に「ばくれつだん」から攻め、
そろそろ「デルタサークル」から戦えるかな?と言ったところで、サイド先行を開始しました。
しかし、相手のバラマキの方が早かったこと、
相手のヒーリング・エネルギーの回復が絶妙だったこと、
ロケット団の幹部で解決札がまったく引けなかったことなど、色々なものが相まって負けてしまいました。
殴りだしのタイミングに後悔はなかったのですが、やはり先殴りはダメだったかも。

vsオドシシ+レックウザex+いろいろ


想定していたオドシシ軸よりも、いろいろなものが採用されていました。
アンノーンEによる盤面コントロール、
逆転!マジックハンドをロケット団のソーナンスで回収しまくる妨害など、
知っているカードばかりではありつつも、状況に応じて使われる対策札がたくさん入っています。
逆転!マジックハンドを使われ続けるのを嫌い、
ベンチポケモンの展開を抑えて「メタルサンダー」40ダメージだけで戦っていました。
途中、こんらんにされても負けじとコインを振り、
2連続オモテを出すと言った無茶なプレイを通しましたが、
ベンチを展開していなかったせいで後続が続かなくなり、
最後に1回でも「デルタサークル」が使えれば……というところを押しきれず負け。
相手の残りのマジックハンドの枚数を確認しながら、
たねポケモンの展開の仕方を丁寧にしていれば、運は確実にコチラに向いていたので、
落とさずに済んだマッチアップだったかもしれません。練度。

vsサーナイトexδ


たねポケモンがなく、手札を見せてもらったところで
ピジョットが2枚あったことから、サーナイトexっぽいなと感じました。
とにかくライチュウで「パチパチ」していれば勝てるかな?と思っていました。
スタートした相手のホロンのポワルンがずっと「デルタドロー」をしてくるので、
解決カード、主に暴風を手札に加えられる状況を嫌って、倒すことにしました。
しかし、要所で暴風を引かれて封印の結晶を剥がされたり、
あとから封印の結晶をつけても「マッハサーチ」で準備されている手札には何も刺さらず、負けてしまいました。
呪われたほこら、砂漠の遺跡、封印の結晶をテンポよく引き続けられたら……と思いましたが、
ポケパワーを採用していない以上、そういうデッキではないよな、と反省しました。
この試合も超古代のワザマシン[岩]で
盤面からサーナイトもピジョットも枯らすことはできたかな、というマッチアップでした。

vsフライゴンexδ


唯一のホロンのコイルでスタートしてしまった回。
手札も強くなかったので、無理やりホロンのポワルンをつけて
コイルの「ちょくげきだん」10ダメージで戦うプランから始めました。
フライゴンexには呪われたほこらが通らないので、
砂漠の遺跡が必要なマッチアップだと思い、ナックラーを手負にするところからゲームを進めます。
お相手がサイド先行をしてくれたので、「デルタサークル」の中打点でカウンターしつつ、
ベンチに出てくるポケパワー持ちを「パチパチ」+「呪われたほこら」で倒していたら、
いつのまにかこちらの残りサイドがなくなっていました。
サーナイトexの時にも感じましたが、
ポケモンexが出てくると、ゲームスピードがグンと上がりますね。

振りかえり

一日通して「超古代のワザマシン[岩]があったらなあ」って思いました。
しかもわるいバンギラスには1度も当たれず、
やはり最初の負けが響いたかな……といった印象でした。
このレギュレーションの難しさを痛感する1日でした。

北は北海道、南は鹿児島の人とマッチングできたり、
ご挨拶したかった人とお話できたので、
この規模の過去レギュ対戦会のありがたみを感じました。

⑧これからライエッグスを組む人へのすゝめ

先述のとおり、
ライエッグスはあらゆるデッキにいろいろなアプローチで対策カードを採用できます。
エネルギー10枚+コイルとポワルン7枚はさすがにエネルギーを入れすぎですが、
自分のやりたいことをしっかりと言語化して、
それに見合ったカードを見合った枚数採用することで、
満足度の高いデッキにできる、楽しいデッキです。

初めてADVPCGを解説するので、
初心者向けに懇切丁寧に文字にしてしまい、かなり長文になってしまいましたが、
これからライエッグスを作る人の基盤になったら幸いです。