タイトル言いたかっただけ

お久しぶりです(本当にお久しぶりです)ひらじです。
和歌山に引っ越したりしてました

巷でやいのやいの言われてるカースドボム、何がアカンのかを自分なりに紐解いてみました

別に得はしてなくない?

そもそもカースドボム、見かけ上は得をしている特性ではないよねという話から

ダメカン13個≒サイド1枚相当のダメージを相手ポケモン1体に与えて、
相手はヨノワールのきぜつによりサイドを1枚取るので、別にサイドレース上得はしていません

エネルギーが不要・ベンチ狙撃が可能であるのは強いですが、
2進化であることを加味すれば特段「壊れている」というほどでもない気がします


▲仮にこんな感じのワザなら2進化非exのワザとして全然ありそう。なんならちょっと弱い寄り

つまりこれだけ見ると、カースドボムがやってる事って
「非exアタッカーが殴った後に倒されるのと同じじゃね?」
という話になります

例題

カースドボムからいったん離れてちょっとした例を見てみましょう






この状態でプレイヤーBはバトル場の非exポケモンを倒すでしょうか?
大抵の人の答えはNOでしょう

プレイヤーBの選択肢としては
・ボスの指令が使えるならキチキギスexを呼び出してサイド2枚取って勝ち
・この番勝つことが出来ないならバトル場の非exは倒さず「そくせきじゅうでん」で3枚引いて番終了
 ・ボスの指令が引けてナンジャモされなければ次の番で勝てる
 ・相手がボスの指令を持ってないことを祈る

といった感じかと思います
(ブライアとかサイド落ち事情とかは話が複雑になるので考慮しない)
相手バトル場の非exを自分のリザードンexで倒してしまえば、返しに相手のリザードンexが330出して負けなので通常それをする人はまず居ないはず

とまぁそんな感じの状況判断から最善手を選んで最終的には「ボス持ってたか~」とか「ボス引けてれば勝てたんだけどなぁ~」とかなるわけですね
ボスつっよ

カースドボムは展開を強制している

ここまで書いたらおおよそ話の流れが見えてきたかと思います
カースドボムは上記例で挙げたプレイヤーBの選択肢を無視して「非exを倒す」という最悪手を強制しているんですね











よく言われる進化前たねポケモンが狩りつくされてしまう話もこれの類型です
「後続のたねポケモンを出さずに番を返す」という展開を強制しているわけですね

このようにゲームの展開を勝手に進めているという点では、カースドボムは実質的に『対話拒否』という側面があるんですね
カードゲームでよく嫌われるやつです
デザインに失敗しました、ってレベルかはともかくだいぶダメな気がしてくる

じゃあ禁止される?

わかんない!
禁止されない理由・される理由どっちも思いついてしまうので心が二つある状態です

禁止はされないやろ派のひらじの見解

ポケカの禁止カードの主な禁止理由を大別すると

・相手のゲームプレイ自体の否定
 (1ターン目に全ハンデスするあれこれ、アーケオスなど)
・一方的にソリティアで特殊勝利してしまう
 (アンノーン)
・強力過ぎてゲームを破壊するユーティリティ
 (フラダリの奥の手、巨大植物の森など)

あたりです
この中でカースドボムが当てはまりそうなものは「相手のゲームプレイ自体の否定」ですが、
少なくともヨノワールが場に出るまでのプレイの応酬はありますし、禁止されるほどでは無い気がします
禁止された奴らはマジで1ターン目に手札無いなったりしたので。。。

禁止されるかも派のひらじの見解

上記例で挙がっている禁止カード・禁止基準ってすべてエクストラレギュレーションのものなんですよね

そして「スタンダードの禁止基準はエクストラとは違うんじゃないか?」と思わされるのが以下の禁止カード指定です

スタンダードレギュレーションにおける使用できるカード変更のお知らせ

当時のスタンダードにてムウマージ(SM10)とジュジュベ&ハチクマンが禁止されました

ムウマージに関してはリセットスタンプと併せてハンデスに悪用されていたため理解できますが、ジュジュベ&ハチクマンに関しては上記禁止例のどれにも当てはまりません
(強いて言えば強力過ぎるユーティリティかもですが、流石にフラダリの奥の手や巨大植物の森相当のゲーム破壊カードとは思えない)

ではなぜ禁止されたか、禁止発表から引用すると

多様なデッキ構築やプレイングの幅を著しく狭める恐れがあるため、スタンダードレギュレーションにおいて使用できないカードに指定します。

とあります

当時ジュジュベ&ハチクマンを軸にしたLOデッキが猛威をふるい、
一部のトップレベルのデッキを除いて太刀打ち出来なくなっていた
それを踏まえての禁止指定だったわけです



そして当時の禁止された/されなかった論争で避けて通れないのがコイツ

アルセウス&ディアルガ&パルキアGX、通称アルアルアGXです

「ポケモン3体倒されると負けになる」という理不尽of理不尽なGXワザにより、HP280をワンパン出来ない非V/GXデッキ(つまりほとんどの非V/GXデッキ)は環境から悉く駆逐されました

にも関わらず、アルアルアGXをスルーしての上記禁止指定と「多様なデッキ構築(中略)を著しく狭める恐れがあるため」という禁止声明文は、当時ツッコミの嵐だったかと記憶しています

では何故ジュジュベ&ハチクマンは禁止され、アルアルアGXが禁止されなかったかを推察(やや邪推)すると、
「公式が推したいゲーム・ギミックと相反するか」が境目なのかなと考えます



アルアルアGXは確かに殆どの非V/GXデッキを駆逐してしまいましたが、
当時のポケカが推し進めていたのはTAG TEAMやVMAXといった大物によるドッカンバトルであり、
非V/GXデッキはメインではなかった、なので許された
(さらに言うとアルアルアGX自身もTAG TEAMのため禁止しにくかったかもしれない)

一方でジュジュベ&ハチクマンもといLOデッキは環境にいつも一定数存在するアーキタイプですが、
あくまでポケモンがドッカンバトルするのがメインであってLOが最強格であってほしくはない、
どちらかと言えば「倒すと気持ちよくなるプロレスのヒール」的な立ち位置に居てほしい
そんな意図があっての禁止
なのかなと思います


ここで話を現代のカースドボムに戻します
現代のポケカの最新ギミックは(進化)exであり、
進化前の低HPなポケモンが常にカースドボムにより狩り尽くされる脅威に晒されてしまうのは、
進化exギミックを推していく上で弊害になってしまうように思えます

また、ポケカSVシリーズには「逆転」というテーマが据えられており、
サイドの枚数(残り枚数・取られた枚数・残りサイドが相手より多いこと)を参照するカードが多数リリースされています

これらのカードを、カースドボムで相手にサイドを取らせる事で能動的に使えてしまう、
いわば「逆転のマッチポンプ」のような状態は、公式が目指すゲームデザインと乖離してしまっていたりしないでしょうか

そんな「公式が目指す方向性の障害となり得る」という判断があれば、
カースドボムが禁止されるに至ることもあり得るんじゃないかなぁと思ったりしています

心がふたつある~~